子供の病気と家族
子供が髄膜炎菌感染症になった時、家族に移さないためには?
髄膜炎菌感染症は、日本では1年に40〜70人ほどしか報告されない、まれな病気です。子供が髄膜炎菌感染症と診断されると、保健所が一緒に住む家族など移っている可能性が高い人を調べ、予防のための抗菌薬を勧めます。保健所から連絡が来たら、保健所の指示に従ってください。
家族に移りやすいのは、いつまで?
髄膜炎菌感染症は、髄膜炎菌という細菌で起こる病気です。髄膜炎菌は咳やくしゃみの飛沫で移り、キスや飲みものの回し飲み、食器の共用でも移りやすくなります。
髄膜炎菌が移ってから症状が出るまでは、2〜10日(多くは4日ほど)です。髄膜炎菌感染症にかかった人がほかの人に移す可能性があるのは、症状が出る7日前から、抗菌薬で治療を始めて24時間がたつまでの間です。
家族に移さないためには?
髄膜炎菌感染症にかかった子供がほかの人に移す可能性がある間に一緒に住んでいた家族、同じ部屋で寝ていた人、食器や歯ブラシを共用していた人などを、保健所は「濃厚接触者」とします。小さい子供がかかった時は、同じクラスや同じ園の子供も、濃厚接触者として扱われます。保健所から予防のための抗菌薬を勧められたら、できるだけ早く飲み始めましょう。
濃厚接触者は、髄膜炎菌感染症の人と最後に会った日から20日間、熱や頭痛、吐き気がないかを毎日見るように保健所から頼まれます。熱や頭痛、吐き気が出たら、すぐに保健所に連絡し、受診する前に髄膜炎菌感染症の人の濃厚接触者であることを医療機関に伝えてください。
髄膜炎菌には、任意接種(自分で費用を払って受ける予防接種)のワクチンがあり、保健所が濃厚接触者に勧めることがあります。ただ、2歳未満の子供には安全性と効果が確かめられておらず、一部の種類の髄膜炎菌には効きません。
大人がかかったら、何に気を付ける?
髄膜炎菌感染症は、乳幼児と思春期の子供、40〜70代の大人に多い病気です。症状は大人も子供も熱や頭痛、吐き気で始まり、病気が進むと首の後ろが硬くなったり、皮膚に出血したような斑点が出たりします。髄膜炎菌感染症は1〜2日のうちに急に重くなることがあるので、濃厚接触者に症状が出たらすぐに受診してください。
家族が髄膜炎菌感染症にかかっても、仕事を休まなければならないという法律の決まりはありません。職場の決まりと、保健所の指示に従ってください。
髄膜炎菌感染症の家族がいる子供は、どんな時に受診したほうがいい?
濃厚接触者の子供に次のような症状が出た時は、保健所に連絡してすぐに受診してください。
- 熱が出た
- 頭を痛がる、吐く
- 皮膚や白目、口の中に、赤い点のような出血がある
- 赤ちゃんの頭のてっぺんの柔らかい所が、ふくらんでいる
- 呼びかけへの反応が悪い、ぐったりしている
- 機嫌が悪い
けいれんを起こした時は、すぐに救急車を呼んでください。
夜間や休日に受診するか迷った時は、子ども医療電話相談(#8000)に電話して相談できます。
園や学校は、いつから行ける?
髄膜炎菌感染症に罹患した子供は、医師がほかの人に移すおそれが無いと認めたら、園や学校に行けます。家族がかかった時に、症状の無い兄弟が休むかどうかは、保健所の指示と通っている園や学校の決まりに従ってください。→病気ごとの、園と学校に行ける目安
出典
- 国立健康危機管理研究機構「侵襲性髄膜炎菌感染症」(2025年11月27日更新、2026年10月27日に閲覧)。報告される人数、移り方、潜伏期間、症状、ワクチン
- 国立感染症研究所 実地疫学研究センターほか「侵襲性髄膜炎菌感染症発生時対応ガイドライン〔第二版〕」(2025年3月28日)。移す期間、濃厚接触者、健康観察の日数、予防の抗菌薬、ワクチン、子供の症状
- こども家庭庁「保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版、2023年5月一部改訂、2023年10月一部修正)」。別添1(13)侵襲性髄膜炎菌感染症、表8(登園のめやす)
- 日本学校保健会「学校において予防すべき感染症の解説〈令和5年度改訂〉」(2024年3月)。髄膜炎菌性髄膜炎(多い年齢、予防の抗菌薬、登校(園)基準)
- 学校保健安全法施行規則 第19条(e-Gov 法令検索)
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第18条(就業制限。e-Gov 法令検索、2026年10月27日に閲覧)
- 厚生労働省「子ども医療電話相談事業(#8000)」
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