葉酸は、いつから飲めばいい?
葉酸はビタミンBの仲間で、お腹の赤ちゃんの脳や背骨の神経のもとができる時に必要になります。
このサイトでは、妊娠を考え始めた時から普段の食事に加えて、サプリで葉酸を1日400μg(マイクログラム)摂ることを勧めます。食べものだけでサプリの400μgの代わりを摂るのは難しいので、サプリを使いましょう。
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葉酸のサプリは、妊娠を考えた時から飲み始めましょう
厚生労働省は、妊娠の1か月以上前から妊娠3か月までの間、食事に加えてサプリなどで葉酸を1日400μg摂るよう勧めています。WHO、アメリカ、イギリスの勧めも、量と時期はほぼ同じです。
葉酸が必要になる神経管(赤ちゃんの脳や背骨の神経のもと)は、受胎からおよそ28日の間にできます。妊娠が分かった時には、神経管ができる時期を過ぎていることが多いので、妊娠を考え始めた時から飲み始めましょう。
葉酸のサプリを飲むと、何を防げる?
葉酸のサプリで減らせるのは、神経管閉鎖障害という生まれつきの病気です。神経管がうまく閉じないと、背骨の中の神経が外に出る二分脊椎や、脳の大部分ができない無脳症などが起こります。
5つの試験をまとめた2015年の研究(7,391人)では、葉酸のサプリを飲んだ人の赤ちゃんで神経管閉鎖障害が約7割少なくなっていました。
ダウン症やほかの生まれつきの病気が葉酸のサプリで減るかどうかは、研究では分かっていません。
妊娠してから葉酸を知った時は、どうすればいい?
妊娠してから葉酸のことを知った人も、気付いた時から飲み始めましょう。日本では、妊娠前から葉酸のサプリを飲んでいた人は、100人のうち8人ほどです。
神経管閉鎖障害は、日本では生まれる赤ちゃん1万人あたり6人ほどの病気です。
葉酸は、食べものだけで摂れる?
葉酸は、枝豆、菜の花、ほうれん草などの緑の野菜や、イチゴ、納豆に多く含まれています。
| 食べもの(1回分) | 葉酸 |
|---|---|
| ゆでた枝豆 50g | 130μg |
| ゆでた菜の花 50g | 95μg |
| ほうれん草のお浸し1皿 70g | 77μg |
| イチゴ5粒 75g | 68μg |
| 納豆1パック 40g | 48μg |
ただ、食べものの葉酸は、サプリの葉酸の半分ほどしか体に吸収されません。サプリの1日400μgの代わりを食べもので摂るには、食べものの葉酸が1日約800μg必要です。
ほうれん草で摂るなら、ゆでたほうれん草を1日約730g、お浸しの小鉢で10皿ほど毎日食べることになります。20〜30代の女性が食事から摂っている葉酸は、1日210〜220μgほどです。
食べものだけでサプリの代わりの量を毎日摂るのは現実的ではないので、葉酸はサプリで摂りましょう。野菜からは葉酸のほかの栄養も摂れるので、これまでどおり食べてください。
葉酸は水に溶けるので、野菜はゆでるより電子レンジで加熱したほうが、葉酸が多く残ります。ブロッコリーは100gあたり、ゆでると120μg、電子レンジで加熱すると160μgです。
レバーで葉酸を摂ってもいい?
鶏や豚のレバーには葉酸が多く含まれていますが、ビタミンAも非常に多いです。鶏レバー50gでは葉酸が650μg、ビタミンAが7,000μgで、ビタミンAは大人が1日に摂ってよい上限(2,700μg)の2倍を超えます。
妊娠の初めの頃にビタミンAを摂りすぎると、生まれつきの病気が増えることが報告されています。妊娠を考えている人と妊娠3か月までの人は、葉酸を摂るためにレバーを食べないようにしましょう。
離乳食で赤ちゃんにレバーを少し食べさせることは、鉄を摂るためにこのサイトでも勧めています。妊娠中に気を付けたいのは、お母さんが葉酸を摂るためにレバーを多く食べることです。→赤ちゃんのレバーの量
葉酸のサプリは、どれを選べばいい?
サプリの葉酸には、合成の葉酸と、酵母やレモンの皮などから取った「天然」とうたう葉酸があります。神経管閉鎖障害を減らした試験で飲まれていたのも、厚生労働省が1日400μgを勧めているのも、合成の葉酸です。「天然」とうたう商品より、合成の葉酸のサプリを選びましょう。
サプリは妊娠の前から何か月も毎日飲むので、葉酸や鉄の原料がどこの国で作られたかを公開している商品を選びましょう。
ビタミンAが含まれている商品は、体の中で必要に応じてビタミンAに変わるカロテン(βカロテンなど)で含まれているものを選んでください。
ヨウ素は、摂りすぎると赤ちゃんの甲状腺の働きに影響することがあります。日本人は昆布などの海藻からヨウ素を多く摂っているので、サプリはヨウ素が含まれていないものを選ぶと安心です。
このサイトは、どの条件にも合うゲンナイ製薬の「プレミン」(妊活中から13週向け)を勧めます。プレミンは、1日4粒で合成の葉酸が400μg摂れます。公式のページには原料ごとの原産国と最後に加工した国が書いてあり、葉酸の原料はスイス、鉄は日本とデンマーク、カルシウムは日本のものです。ビタミンAはカロテンで含まれていて、ヨウ素は含まれていません。着色料、甘味料、香料も使っていません。
粒は直径8.9mmで、口コミには「においが無い」という声が多くあります。1日4粒なので、つわりの時期は飲みにくいという声もあります。
公式サイトの定期便は毎月3,980円で、決まった回数を続けなくても解約できます(2026年11月時点)。
葉酸のサプリは、いつまで飲めばいい?
神経管閉鎖障害を防ぐためには、妊娠3か月まで飲めば十分です。日本の資料は妊娠3か月まで、イギリスは妊娠12週までとしています。
妊娠中期からは、葉酸の1日の推奨量が妊娠していない時の240μgから480μgに増えます。授乳中は340μgです。つわりで思うように食事が摂れない時期もあるので、3か月を過ぎてもサプリを続けて構いません。
プレミンは、14週からは、鉄を増やした「14週〜出産向け」に替えるように作られています。
葉酸を多く飲んだほうがいい人は?
前の妊娠で赤ちゃんに神経管閉鎖障害があった人には、医師の管理の下で葉酸を多く飲むことが必要です。イギリスでは、糖尿病の人、てんかんの薬を飲んでいる人、本人やパートナーや家族に神経管閉鎖障害がある人にも多い量を勧めています。
当てはまる人は、葉酸のサプリを買う前に、かかっている医師か産婦人科に相談しましょう。
出典
- 厚生省「神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について」(2000年12月28日)(妊娠の1か月以上前から妊娠3か月までの間、食品からの葉酸に加えて、栄養補助食品から1日0.4mg。神経管閉鎖障害の子供の妊娠歴がある女性は、医師の管理下での葉酸の摂取が必要)
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」(葉酸:成人女性の推奨量 1日240μg。付加量は妊娠中期・後期 240μg、授乳中 100μg。妊娠を計画している女性と妊娠初期の妊婦は、通常の食品以外の食品に含まれる葉酸を1日400μg。妊娠を知るのは、神経管の形成に重要な時期(受胎後およそ28日間)よりも遅いことが多い。食品中の葉酸の相対生体利用率は50%。神経管閉鎖障害は2011〜2015年に1万出生当たり6程度)
- 厚生労働省「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」解説要領(2021年3月)12〜13ページ(神経管ができる時は受胎後およそ28日。レバーなどにはビタミンAが多く、過剰摂取により先天奇形が増加することが報告されているため、妊娠を計画する人や妊娠3か月以内の人は大量の摂取を避ける)
- こども家庭庁「葉酸摂取が妊娠前から大切な理由とは?知ってほしい赤ちゃんとの関係」(2026年3月24日。妊娠1か月以上前から妊娠3か月にかけて、通常の食事に加えて1日400μg)
- 日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会「産婦人科診療ガイドライン 産科編2020」CQ105(前に神経管閉鎖障害の子供を妊娠した人は、医師の管理下に妊娠前から妊娠11週末まで、葉酸を多く服用する)
- 厚生労働省「令和6年国民健康・栄養調査報告」(食事から摂っている葉酸の平均:女性20〜29歳 1日219μg、30〜39歳 213μg)
- Nishigori H, et al. Congenit Anom. 2019;59:110-117.(エコチル調査。92,269人のうち、妊娠前から葉酸のサプリを飲んでいたのは8.27%)
- De-Regil LM, et al. Effects and safety of periconceptional oral folate supplementation for preventing birth defects. Cochrane Database Syst Rev. 2015;(12):CD007950.(5試験、7,391人。神経管閉鎖障害 RR 0.31。ほかの先天異常への効果は明らかでない)
- WHO. Periconceptional folic acid supplementation to prevent neural tube defects.(妊娠を試み始めた時から妊娠12週まで、1日400μg)
- US Preventive Services Task Force. Folic Acid Supplementation to Prevent Neural Tube Defects: US Preventive Services Task Force Reaffirmation Recommendation Statement. JAMA. 2023;330(5):454-459.(妊娠を計画している人に1日0.4〜0.8mg。妊娠の少なくとも1か月前から、妊娠の最初の2〜3か月まで)
- NICE. Maternal and child nutrition: nutrition and weight management in pregnancy, and nutrition in children up to 5 years. NG247. 2025.(1日400μgを妊娠12週まで。本人・パートナー・家族に神経管閉鎖障害がある人、前の妊娠で神経管閉鎖障害があった人、糖尿病の人、てんかんの薬を飲んでいる人などは1日5mg)
- NHS. Pregnancy vitamins and supplements.(妊娠12週まで1日400μg。妊娠中はレチノールを含むビタミンAのサプリを飲まない)
- Ray JG, et al. Am J Med Genet A. 2003;120A:309-313.、Hollis ND, et al. Am J Med Genet A. 2013;161A:438-444.(葉酸とダウン症の関係は見られなかった)
- Rothman KJ, et al. Teratogenicity of high vitamin A intake. N Engl J Med. 1995;333(21):1369-1373.(妊娠初期にサプリでビタミンAを1日10,000IUより多く摂った人で、頭や顔、心臓などの先天奇形が多かった)
- 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版」(第8版)増補2023年(100gあたりの葉酸:えだまめ ゆで260μg、なばな 和種 ゆで190μg、ほうれんそう ゆで110μg、いちご 生90μg、糸引き納豆120μg、ブロッコリー ゆで120μg・電子レンジ調理160μg、にわとり 肝臓 生1,300μg。にわとり 肝臓 生のレチノール14,000μg)
- ゲンナイ製薬「プレミン」公式サイト(4粒1,400mgあたり 葉酸400μg、鉄5.0mg、カルシウム260mg、ビタミンA310μg。原材料名、原産国と最終加工国、粒の直径8.9mm、定期便の値段。2026年11月確認)
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