鉄のほかに足りないもの。亜鉛・ビタミンA・ビタミンD・カルシウム
足りなくなるのは鉄だけではありません。亜鉛、ビタミンD、カルシウムも、母乳だけでは届かなくなっていきます。ビタミンAは逆に、とりすぎのほうを気にしてください。
亜鉛は鉄と同じ食材でとれる
母乳の中の亜鉛の濃度は、月齢が進むにつれて下がっていきます。6〜11か月の目安量は1日2mgです。
亜鉛が多い食材は、鉄が多い食材とほぼ重なります。牛や豚の赤身肉、レバーです。鉄のために赤身肉を使っていれば、亜鉛もついてきます。別の食材を新しく探す必要はありません。
ビタミンAは、とりすぎに注意する栄養素
ビタミンAは、にんじんやかぼちゃのような緑黄色野菜に多く含まれます。日本で暮らしていて、これが足りなくなることはまずありません。
気をつけたいのは逆方向です。6〜11か月でとってよい量の上限は、1日600マイクログラム(正確には「RAE」という単位で表しますが、ここでは省略してマイクログラムと書きます)。ここを超える状態が続くと、頭の中の圧力が上がるなどの体への負担が出ます。
「マイクログラムRAE」ってなに?
ビタミンAは、レバーなど動物性の食品に入っている形と、にんじんなど野菜に入っている形とで、体への効きめが違います。野菜のほうは体で変換する必要があるぶん、同じ重さでも実際に働く量は少なくなります。この差をならして、動物性と植物性を同じものさしで比べられるようにした単位が「マイクログラムRAE」です。
野菜のビタミンAは、とりすぎになりません
にんじんやかぼちゃに含まれるビタミンAは、植物由来のベータカロテンです。体が必要な分だけをビタミンAに変えるしくみになっていて、余った分は蓄積しません。野菜を食べすぎて体に負担がかかることはないので、気にせず使ってください。
レバーは2〜3日に1回、5gから
とりすぎに注意が必要なのは、レバーです。鶏レバーは100gあたり14,000マイクログラム。わずか5gでも700マイクログラムになり、1日の上限600マイクログラムを超えてしまいます。
だから、毎日食べるものではありません。2〜3日に1回、5g程度から始めてください。この頻度なら、1日あたりに平均するとレバー由来は300マイクログラム前後で、上限の範囲におさまります。
乾燥タイプはグラム数が変わります
粉末や乾燥のレバーは水分が抜けているぶん、同じ5gでも中身の濃さが違います。製品に書かれている使用量を優先してください。
カルシウムは、食材として使う
カルシウムの目安量は、6〜11か月で1日250mg。乳製品に多い栄養素ですが、1歳未満は牛乳を飲みものとして飲ませないでください。鉄の記事で説明したとおり、鉄欠乏性貧血につながることが知られています。
食材として少量使うのは問題ありません。使いやすいのは、缶詰の魚、干物、骨ごと食べられる小魚です。野菜や大豆にもカルシウムは入っていますが、体への入りやすさは魚のほうが上です。
ビタミンDは、日光と食べものの両方から
ビタミンDの目安量は1日5マイクログラム、上限は25マイクログラムです。骨の育ちにかかわる栄養素で、この量は、くる病(骨が育ちにくくなり、脚が曲がったりする病気)を防ぐための研究から決められています。
作られ方が少し変わっていて、日光を浴びることでも、食べることでも増やせます。日光を浴びる時間の目安は季節でかなり差があり、夏なら数分から10分程度、冬はその数倍かかります。地域や天気による差も大きいので、目安として考えてください。長時間の直射日光は避け、服や帽子で調整しながらで構いません。
食べもので増やすなら、しらす、きのこ、卵黄が使いやすい食材です。きのこは日光に当てると、含まれるビタミンDの量がぐっと増えます。天日干しのきのこを選ぶ、買ってきたきのこを少し天日に干す、といった工夫が効きます。
日光の量は、神経質にならなくて大丈夫です
天気や季節でどうしても変わります。晴れた日に外に出る機会があれば十分で、記録をつけて管理するようなものではありません。心配なときは、しらすや卵黄を食事に混ぜる方を意識してください。
出典
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
- 文部科学省「日本食品標準成分表2015年版」
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