子供の病気と家族

子供が手足口病になった時、家族に移さないためには?

公開 2026年10月26日

この記事を書いた人

内科専門医で、2人の子の父です。論文や公的なガイドラインをもとに書いています。著者について

手足口病は、子供から大人にも移ります。ただ、大人の多くは子供のころに原因のウイルスにかかっているので、大人が手足口病になることは多くありません。

手足口病のウイルスは、治った後も数週間から数か月、便に出てきます。家では、おむつを替えた後の手洗いと、タオルを分けることを続けましょう。

大人も手足口病になる?

手足口病は、咳やくしゃみの飛沫、手についたウイルス、便に出たウイルスで移ります。

国立健康危機管理研究機構によると、小学生より上の年齢の人の多くは、手足口病のウイルスに既にかかったことがあるため、大人がかかることはあまり多くありません。ただ、看病などで子供と近くで長く過ごすと、大人にも移ることがあります。手足口病を起こすウイルスは何種類もあるので、一度かかった人でも、別のウイルスでまたかかることがあります。

下の写真は、著者が手足口病にかかった時に、自分の喉を撮ったものです。

著者の喉の写真を見る(口内炎が写っています)
手足口病にかかった大人の喉。喉の奥の両側に、周りが赤く、真ん中が白っぽい小さな口内炎が4つ並んでいる
著者が手足口病にかかった時の喉です。喉の奥の両側に、周りが赤く、真ん中が白っぽい小さな口内炎ができています(白い丸で囲んだ所)。

家族に移りやすいのは、いつまで?

手足口病のウイルスが移ってから症状が出るまでは、3〜5日です。家族に口の中の痛みや手足の発疹が出たら、手足口病が移ったのかもしれません。→大人がかかった時に気を付けること

感染力が一番強いのは、症状が出てから最初の1週間です。症状が治まった後も、咳や鼻水からは1〜2週間、便からは数週間から数か月、ウイルスが出ます。

家族に移さないためには?

手足口病には、ワクチンも、移るのを防ぐ薬もありません。家でできることは、次のとおりです。

塩素系の漂白剤を使う時の注意

トイレ用洗剤のような酸性のものと混ぜると、有毒なガスが出ます。スプレーで吹きかけず、布に含ませて拭いてください。金属はさびやすく、色のついた服は色が抜けることがあります。

手足口病は、かかっても症状が出ないままウイルスを出している人もいます。症状が治まった後も、手洗いを続けてください。

大人がかかったら、何に気を付ける?

手足口病では、口の中、手のひら、足の裏などに、2〜3mmの水ぶくれが出ます。熱は出ない人も多く、出ても38℃より低いことがほとんどです。多くの人は3〜7日で治ります。

コクサッキーウイルスA6型という種類のウイルスでかかった時は、治ってから数週間後に、手や足の爪がはがれることがあります。

著者が手足口病にかかった時は、最初の数日は熱と喉の痛みに加えて、手足の痛みとしびれがありました。その後も強い喉の痛みが2週間ほど続きました。爪ははがれませんでしたが、はがれかけました。

こういう時は、医療機関を受診してください

元気がない、頭が痛い、吐く、高い熱が出る、熱が2日より長く続く時は、まれに起こる髄膜炎や脳炎に気を付けます。

大人が手足口病にかかっても、仕事を休む法律の決まりはありません。職場の決まりに従ってください。

喉が痛くて食べられない時は?

上の著者の喉の写真のように、手足口病では、口の中や喉に口内炎がいくつもできます。口内炎はとても痛く、著者は、リンゴジュースでさえ、喉がひどく痛みました。

子供が元気なのに食べようとしない時は、喉が痛いからかもしれません。しみにくい、刺激の少ないものを試してみましょう。お粥のように水分が多いものや、プリン、ヨーグルト、ゼリーのように喉を通りやすいものを、薄味で出してください。→お粥の作り方

食べられない間も、水分は不足しないようにしましょう。一度にたくさん飲めない時は、少しずつ何回にも分けて飲ませてください。

園や学校は、いつから行ける?

保育園は、熱や口の中の水ぶくれの影響が無く、いつもの食事が食べられるようになったら登園できます。学校は、本人の具合が落ち着いていれば登校できます。

手足口病は、治った後も長くウイルスが出るので、休んでも流行を防ぐ効果は小さいと考えられています。登園や登校を再開した後も、手洗いを続けましょう。→病気ごとの、園と学校に行ける目安

出典

  1. こども家庭庁「保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版、2023年5月一部改訂、2023年10月一部修正)」。別添1(16)手足口病(潜伏期間、感染経路、ウイルスが出る期間、登園のめやす、登園を控えることの有効性)、別添3の発しんの時の対応(口の中に水疱や潰瘍がある時の食べもの)
  2. 日本学校保健会「学校において予防すべき感染症の解説〈令和5年度改訂〉」(2024年3月)。手足口病(登校(園)基準)
  3. 国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト「手足口病(詳細版)」(2014年10月17日改訂)。潜伏期間(3〜5日)、大人の発症が多くないこと、水疱の大きさ、熱、爪甲脱落症、注意する症状、水分を少しずつ何回にも分けて与えること
  4. 厚生労働省「手足口病」。潜伏期間(感染してから3〜5日後)、タオルの共有を避けること、排泄物の処理、症状が出ないままウイルスを出す人がいること、ワクチンや予防薬が無いこと
  5. 東京都保健医療局(東京iCDC)「日常で役立つ!感染症予防ハンドブック~あなたや大切な人を守るために~」(2025年3月)の「手足口病」。アルコールの消毒が効きにくいこと、次亜塩素酸ナトリウム液が有効なこと
  6. こども家庭庁「保育所における感染症対策ガイドライン」別添2の表3(消毒薬の種類と用途、注意)と表4(塩素系消毒薬の薄め方。嘔吐物や排泄物が付着した床や物は0.1%、製品濃度が約6%なら水1Lに約20mL。トイレの便座などは0.02%で、水1Lに約4mL)

このサイトの情報は一般的な医学情報であり、個別の診療の代わりになるものではありません。お子さんの状態については、かかりつけの小児科医にご相談ください。

また、ここに書かれている内容は著者個人の見解であり、所属する機関を代表するものではありません。

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