子供の病気と家族
子供が百日咳になった時、家族に移さないためには?
百日咳は、家族の中で移りやすい病気です。百日咳にかかった赤ちゃんの多くは、兄弟や親から移っています。生後6か月未満の赤ちゃんは、百日咳で重症化しやすく、命に関わることもあります。
咳が出ている家族は、マスクをして、赤ちゃんにできるだけ近づかないようにしましょう。赤ちゃんが生後2か月になったら、すぐに5種混合ワクチンを受けてください。→家族に移さないためにできること
家族に移りやすいのは、いつまで?
百日咳は、百日咳菌という細菌で起こる病気です。春から夏に多く、最近は小学生から高校生くらいの子供や大人もよくかかります。百日咳は、鼻水や軽い咳など、かぜのような症状で始まり、だんだん咳の回数が増えて、咳が激しくなっていきます。
百日咳が移ってから症状が出るまでは、7〜10日ほどです。子供の咳が始まってから1〜2週間のうちに、家族に咳が出たら、百日咳が移ったのかもしれません。→大人がかかった時に気を付けること
抗菌薬を飲まないと、百日咳にかかった人は、咳が出始めてから3週間ほど、百日咳菌を出し続けます。抗菌薬を飲み始めると、5日ほどで菌はほとんど出なくなります。ただ、最近はよく使われる抗菌薬が効きにくい菌が増えているので、咳が続いている間はマスクを続けましょう。
家族に移さないためには?
百日咳は、咳やくしゃみの飛沫や、菌がついた手を通して移ります。百日咳は、ほかの人に移す力がとても強い病気です。家では、次のことを続けましょう。
- 咳が出ている人は、マスクをしましょう。2歳未満の子供は、息苦しくても自分でマスクを外せず、窒息の心配があるため、マスクをさせないでください
- 咳が出ている家族は、赤ちゃんの抱っこや寝かしつけをほかの家族に代わってもらい、赤ちゃんとは別の部屋で過ごしましょう
- 咳やくしゃみをする時は、ティッシュや服の袖で口と鼻を覆いましょう
- 家族みんなで、流水と石けんで手を洗いましょう
家族が百日咳と診断され、家に生後2か月未満の赤ちゃんがいる時は、ほかの家族が予防のために抗菌薬を飲むかどうかを、医師に相談してください。
百日咳のワクチンは、いつ受ける?
百日咳には、5種混合ワクチンの定期接種(市区町村が行う予防接種)があります。赤ちゃんは、生後2か月から3回受け、3回目の半年から1年半後にもう1回受けましょう。
百日咳のワクチンの効果は数年たつと弱まってくるため、日本小児科学会は、小学校に入る前の1年間に、任意接種(自分で費用を払って受ける予防接種)の3種混合ワクチンを受けることを勧めています。学会は、11〜12歳の定期接種の2種混合ワクチンの代わりに、3種混合ワクチンを受けることも勧めています。
妊娠中の人は、妊娠の後期に百日咳を含むワクチンを受けて、生まれてくる赤ちゃんを守る方法もあるので、かかっている産科の医師に相談してください。
大人がかかったら、何に気を付ける?
大人が百日咳にかかると、咳が長く続きます。ただ、子供のような特有の咳の発作が出ないことが多く、軽く済むため、かぜと思われて見逃されやすいです。大人が気づかないうちに、赤ちゃんに百日咳を移していることもあります。
家に赤ちゃんや妊娠中の人がいて、大人の咳が長く続く時は、百日咳かもしれないので受診しましょう。受診する時は、子供が百日咳と診断されたことを医師に伝えてください。
大人が百日咳にかかっても、仕事を休まなければならないという法律の決まりはありません。職場の決まりに従ってください。咳が出ている間は、マスクをしましょう。
百日咳に罹患した子供は、どんな時に受診したほうがいい?
百日咳の子供は、コンコンと続けて咳き込んだ後に、ヒューという笛のような音を立てて息を吸う咳が出ます。夜に咳がひどくなり、咳で眠れなかったり、咳と一緒に吐いたりすることもあります。百日咳では、熱はあまり出ません。咳が治まるまでには、2〜3週間から数か月かかることがあります。
百日咳は細菌の病気で、抗菌薬で治療します。咳がだんだん激しくなり、百日咳が疑われる時は、様子を見ずに早めに受診しましょう。
抗菌薬は、早いうちに飲み始めると症状が軽くなります。咳が激しくなってから飲み始めた時も、咳はすぐに治まらないものの、ほかの人には移しにくくなるので、医師に言われた日数を最後まで飲ませてください。
赤ちゃんは、特有の咳が出ないまま、息が止まる発作を起こすことがあります。生後6か月未満の赤ちゃんに咳が出たら、早めに受診してください。赤ちゃんの息が止まる、唇や顔の色が青っぽい時は、すぐに受診してください。
夜間や休日に受診するか迷った時は、子ども医療電話相談(#8000)に電話して相談できます。
咳がひどくて食べられない時は?
百日咳の子供は、咳き込んで食べたものを吐いてしまうことがあります。一度にたくさん食べさせず、少しずつ何回にも分けて食べさせましょう。
離乳食や幼児食を食べている子供が、咳がひどくて食べる量が減っている間は、カロリーより水分を優先しましょう。お茶やスープなど、子供が飲みたいもので構いません。食事はお粥など、炭水化物を多く含む消化に良い食事を摂ってください。→お粥の作り方
水分を飲めない時や、おしっこが少ない時は、受診してください。→受診したほうがいい時
園や学校は、いつから行ける?
保育園も学校も、特有の咳が治まるか、医師に出してもらった抗菌薬を5日間飲み終えたら、行けるようになります。計算のページで、抗菌薬を飲み始めた日を入れると、登園や登校ができる日が分かります。→登園・登校できる日の計算
登園や登校を再開した後も、咳が残っている間はマスクをして、手洗いを続けましょう。家族がかかった時に、症状の無い兄弟が休むかどうかは、通っている園や学校の決まりに従ってください。→病気ごとの、園と学校に行ける目安
出典
- 国立健康危機管理研究機構「百日咳」(2025年4月30日更新、2026年10月27日に閲覧)。潜伏期間、赤ちゃんと大人の症状、抗菌薬、5種混合ワクチン、予防の抗菌薬
- 国立健康危機管理研究機構「百日咳(詳細版)」(2018年1月29日改訂、2026年10月27日に閲覧)。始まりの症状、菌を出す期間、抗菌薬で菌が出なくなる日数、赤ちゃんと大人の症状、ワクチンの効果が弱まる年数
- 国立健康危機管理研究機構「百日咳の発生状況について」(2025年4月22日、2026年10月27日に閲覧)。移す力の強さ、赤ちゃんや妊娠中の人の近くで咳が長く続く時の受診
- 国立健康危機管理研究機構「百日咳 2025年11月現在」病原微生物検出情報(IASR)Vol.47(2026年1月号)。家族の中で移ること、年齢
- 日本小児科学会 予防接種・感染症対策委員会「百日咳患者数の増加およびマクロライド耐性株の分離頻度増加について」(2025年3月29日)。耐性菌、咳が続く間のマスク、就学前と11〜12歳の3種混合ワクチン、赤ちゃんに移すのは家族が多いこと
- 日本小児科学会 予防接種・感染症対策委員会「生後2か月未満の乳児における重症百日咳の発症に関する注意喚起と治療薬選択について」(2025年6月22日)。生後2か月になったらすぐ5種混合ワクチン、家族の予防の抗菌薬
- 日本小児科学会 予防接種・感染症委員会「妊婦への接種が推奨または考慮されるワクチン」(2025年10月7日)。妊娠後期の百日咳を含むワクチン
- 厚生労働省「5種混合ワクチン」(2026年10月27日に閲覧)。重症化しやすい月齢、接種の時期と回数
- こども家庭庁「保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版、2023年5月一部改訂、2023年10月一部修正)」。別添1(10)百日咳(症状、移り方、流行の時期、咳がある大人と0歳児、マスクと手洗い、登園のめやす)、表8(移しやすい期間と登園のめやす)
- 日本学校保健会「学校において予防すべき感染症の解説〈令和5年度改訂〉」(2024年3月)。百日咳(症状、移す期間、登校(園)基準)
- 学校保健安全法施行規則 第19条(e-Gov 法令検索)
- 厚生労働省「令和8年度冬季 急性呼吸器感染症(ARI)総合対策に関するQ&A」(2026年9月30日版)。Q15(2歳未満のマスク)
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第18条、同法施行規則 第11条(就業制限。e-Gov 法令検索、2026年10月27日に閲覧)
- 厚生労働省「子ども医療電話相談事業(#8000)」
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