ピーナッツバターは、早めに始めるのがお勧めです

公開 2026年9月20日・最終更新 2026年10月20日

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内科専門医で、2人の子の父です。論文や公的なガイドラインをもとに書いています。著者について

ピーナッツは、早く食べ始めた子のほうがピーナッツアレルギーになりにくいことが、研究ではっきり分かっています。このサイトも、早めに始めることを勧めます。

ただし、粒のピーナッツは5歳まで出せないので、砂糖も塩も加えていない、滑らかなピーナッツバターを使いましょう。湿疹のある子は、始める前に小児科で相談してください。

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蓋を開けた無地のガラスびんのピーナッツバターと、真ん中にごく少量のピーナッツバターをのせたお粥の器、先に米粒ほどのピーナッツバターをのせた赤ちゃん用のスプーンのイラスト

早く始めた子は、ピーナッツアレルギーが少なくなりました

一番大きな研究はイギリスのLEAP試験で、重い湿疹か卵アレルギーのある赤ちゃん640人を、生後4〜11か月から食べ続けるグループと、避けるグループに分けました。

5歳でピーナッツアレルギーだったのは、避けたグループの13.7%に対して、食べたグループは1.9%でした。その後、全員が1年間ピーナッツをやめても、アレルギーは増えていません。

2023年に出た研究のまとめでも、早く始めた子はピーナッツアレルギーが約7割少なくなっています。→卵とピーナッツの記事

日本は欧米ほどピーナッツアレルギーが多くないので、効果の大きさが同じとは限りません。それでも、遅らせて防げたという研究はありません。

湿疹のある子は、まず小児科へ

湿疹のある赤ちゃんは、荒れた皮膚から食べものが入るとかえってアレルギーになりやすいので、ピーナッツより先に湿疹を治しましょう。

米国の指針は、重い湿疹や卵アレルギーのある子では、始める前に血液か皮膚の検査を考えるよう書いています。国立成育医療研究センターも、湿疹のある子は自己判断で始めないよう呼びかけています。

湿疹がある子や、卵でなにか症状が出たことがある子は、始める前にかかりつけの小児科で相談してください。始め方も、先生と決めるのが安心です。

湿疹のない子は、ほかの食べものと同じように、家で始めて構いません。

買うのは、原材料が「落花生」だけの滑らかなもの

売り場には、砂糖や油を足した甘いピーナッツクリームと、落花生だけをすり潰したピーナッツバターが並んでいます。赤ちゃんに使うのは、ピーナッツバターのほうです。

見分けるには、裏の原材料名を見て、「落花生」だけのものを選びましょう。砂糖、食塩、植物油脂と続いていたら、別のものを探してください。

粒の入ったタイプ(クランチ、チャンク)は避けましょう。滑らかなものを選んでください。

たとえば三育フーズの「ピーナッツバター」は、原材料が落花生だけで、乳化剤も安定剤も使われていません。食塩相当量は100gあたり0.01gです。

三育フーズ「ピーナッツバター」

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内容量は150gです。楽天市場の検索結果にはほかの商品も混ざるので、原材料が「落花生」だけのものを選んでください。

粒と粉は使わないようにしましょう

粒のピーナッツは、5歳まで出さないでください。消費者庁が、硬い豆やナッツ類を5歳以下の子に食べさせないよう呼びかけています。喉に詰まるほか、かけらが気管に入ることがあります。

オーストラリアの小児病院では、早く始めることが勧められるようになってから、ピーナッツや木の実を気管に吸いこんで運ばれる子が約3倍に増えました。ピーナッツを粒のまま出さなければ、防げる事故です。

粉は舞いやすく、皮膚や空気から体に入るおそれがあるため、このサイトでは勧めません。

最初の1回は耳かきの先くらいにして、10分待ちましょう

最初の1回は、次の条件がそろう日にしましょう。

ピーナッツのアレルギーは、出ると重い症状になることがあるので、ピーナッツは本当に少ない量から始めてください。最初の量は、耳かきの先くらいで十分です。

耳かきの先くらいのピーナッツバターを、食べ慣れたお粥や野菜のペーストに混ぜて食べさせましょう。そのまま10分待ってください。

何も起きなければ、次の回から少しずつ量を増やしていきましょう。

増やした先の目安は、研究で使われた量です

LEAP試験と米国の指針の量は、ピーナッツのたんぱく質で週に6〜7gを、3回以上に分けて食べるというものです。

三育フーズのピーナッツバターは100gあたりたんぱく質が24.5gなので、たんぱく質を週に6g摂るには、ピーナッツバターが約25g要ります。小さじ1が約5gなので、週に小さじ5杯ほどです。

これは研究で使われた量で、日本の目安として決まったものではありません。国立成育医療研究センターの研究も、量は決めず、毎日の離乳食に少しずつ混ぜるやり方でした。

少しの量でも、週に何回か続けるほうを大事にしてください。食べられると分かったら、間をあけずに食卓にのせ続けましょう。

くるみやアーモンドなど、ほかのナッツはいつから?

くるみ、カシューナッツ、アーモンドなどのナッツも、粒のままでは5歳まで出さないでください。粒のナッツは、ピーナッツと同じく、喉に詰まったり、かけらが気管に入ったりすることがあります。

国立成育医療研究センターの研究では、湿疹のある赤ちゃん34人に、生後6か月ごろから、ピーナッツ、くるみ、カシューナッツを離乳食に少しずつ混ぜて食べてもらいました。ナッツは、市販の粉か、滑らかなペーストを使っています。窒息や誤嚥は起きず、2歳までにくるみを食べられるようになった子は約8割でした。研究で調べたのは食べられたかどうかで、アレルギーを防げるかは調べていません。

ナッツを早く始めるとアレルギーが減るかどうかは、ピーナッツほどはっきりとは分かっていません。ナッツを始める時も、滑らかなペーストを少しずつ使いましょう。加工食品では、くるみとカシューナッツも、ピーナッツと並んで、アレルギーの表示が義務になっています。湿疹のある子は、始める前に小児科で相談してください。

こんな症状が出たら

口の周りが少し赤くなっただけなら、それだけでやめなくて大丈夫です。量を減らして続けるやり方があります。→卵とピーナッツの記事

すぐに受診してほしい症状

息が苦しそうな時、ぐったりしている時は、ためらわずに救急車を呼んでください。

症状が出たら、そのあとの進め方は自分で決めず、かかりつけの小児科の先生に相談してください。

少しの量で、カロリーも摂れます

ピーナッツバターは小さじ1(約5g)で約30kcalあります。お粥に混ぜると、食べる量をほとんど増やさずにカロリーを足せます。

ピーナッツバターは、量より濃さを上げる、というこのサイトの考え方にも合う食材です。→カロリーの記事

アレルギーの確認に使える、食材の記録表

「離乳食きろく」は、初めて食べた食材と、食べたあとの様子を記録する無料のツールです。卵や乳製品のようなアレルギーの原因になりやすい食材について、試した日と量や、口の周りが赤くなったなどの反応を残せます。記録は食材ごとに一覧で見られるので、小児科で相談する時にそのまま見せられます。会員登録は要りません。

出典

  1. Du Toit G, et al. Randomized trial of peanut consumption in infants at risk for peanut allergy. N Engl J Med. 2015;372(9):803-813.(LEAP試験)
  2. Du Toit G, et al. Effect of avoidance on peanut allergy after early peanut consumption. N Engl J Med. 2016;374(15):1435-1443.(LEAP-On研究)
  3. Scarpone R, et al. Timing of allergenic food introduction and risk of immunoglobulin E-mediated food allergy: a systematic review and meta-analysis. JAMA Pediatr. 2023;177(5):489-497.
  4. Togias A, et al. Addendum guidelines for the prevention of peanut allergy in the United States. J Allergy Clin Immunol. 2017;139(1):29-44.(湿疹の重さごとの始め方、週に6〜7gを3回以上、家で始める時の指示、ピーナッツバター小さじ2でたんぱく質約2g)
  5. 国立成育医療研究センター プレスリリース「アレルゲン食品であるナッツ類も離乳食初期から窒息・誤嚥なく摂取が可能」2024年6月13日
  6. Harama D, et al. Feasibility and safety of the early introduction of allergenic foods in Asian infants with eczema. Nutrients. 2024;16(11):1578.(湿疹のある赤ちゃん34人。2歳までに食べられた割合は、ピーナッツ78.8%、くるみ81.3%、カシューナッツ41.4%)
  7. 食物アレルギー研究会「食物アレルギーの診療の手引き2023」(表24 表示の対象。くるみ、カシューナッツ、落花生は特定原材料。カシューナッツは2028年3月31日まで経過措置)
  8. 消費者庁「硬い豆やナッツ類は5歳以下の子どもには食べさせないで!」(子どもを事故から守る!事故防止のための注意喚起)
  9. Leung J, et al. Increased rates of peanut and tree nut aspiration as a possible consequence of allergy prevention by early introduction. J Allergy Clin Immunol Pract. 2021;9(8):3140-3146.(メルボルンの小児病院。2015〜2018年は、それ以前と比べて約3倍)
  10. 三育フーズ「ピーナッツバター」商品案内(原材料 落花生。100g当たり エネルギー642kcal、たんぱく質24.5g、食塩相当量0.01g。2026年9月確認)

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