卵はいつから?固ゆでの卵黄から、全卵へ進める量と順番
卵は、離乳食を始めて、おかゆや野菜に慣れたころから出せます。固ゆでにして、卵黄をひとさじから。卵だけをあとに回す理由はありません。
気をつけたいのは、卵黄だけで何か月も止まってしまうことです。卵白へ進み、1歳ごろに固ゆでの全卵を半分食べられていれば順調です。湿疹がある赤ちゃんは、先に小児科で皮膚を治してから始めます。
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いつから? おかゆと野菜に慣れたら、固ゆでの卵黄から
厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」は、食べものを増やす順番をこう書いています。おかゆから始めて、慣れたら野菜や果物。さらに慣れたら、豆腐や白身魚、固ゆでした卵黄です。
離乳食を生後5〜6か月に始めたなら、卵もその時期のうちに出せます。国立成育医療研究センターも、生後5〜6か月から、加熱した卵を少量食べ始めるやり方を示しています。
「アレルギーが心配だから、卵は遅らせたい」と思う方は多いです。いまは、遅らせても予防にならないとわかっています。理由と研究は、卵とピーナッツの記事にまとめました。
卵黄と卵白は、どちらが先でも構いません。日本では卵黄から始めるのがふつうで、支援ガイドも「卵黄から全卵へ」と書いています。同センターは、卵黄から始めることにこだわらない指導をしています。
固ゆでにします。目安は、沸騰してから20分
赤ちゃんに出す卵は、中までしっかり火を通します。ヨーロッパアレルギー臨床免疫学会(EAACI)は2021年のガイドラインで、生卵と、加熱していない低温殺菌卵を使わないよう求めています。
ゆで時間の目安は、沸騰してから20分です。日本小児アレルギー学会の提言が根拠にしている測定は、20分ゆでた卵で行われました。卵アレルギーの予防を確かめたPETIT研究の卵の粉は、15分加熱したものです。
提言そのものは「何分ゆでる」とまでは決めていません。20分は、研究で使われた条件に合わせた目安だと考えてください。
半熟卵、温泉卵、とろとろのスクランブルエッグは、火の通りが足りません。マヨネーズは生の卵で作られています。どれも、赤ちゃんの最初の卵には向きません。
ゆで上がったら、すぐ卵白から卵黄を外します
アレルギーの原因になりやすいたんぱく質は、卵白に多く入っています。ゆで卵の卵黄にも、卵白のたんぱく質が少し移っています。
どれくらい移るかを測った報告を、日本小児アレルギー学会の提言が引いています。測ったのは、固ゆでにして1時間おいてから外した卵黄です。
3分の1個までなら、移ってきた卵白のたんぱく質は、固ゆでの卵白0.2gぶん以内でした。提言は、固ゆでの卵黄で症状が出るおそれは低いとしています。
置いておくあいだに移る分を減らしたいので、ゆで上がったらすぐ殻をむいて、卵黄を外すのが安心です。
生のうちに卵黄と卵白を分ける方法は使いません。生で取り分けた卵黄には、卵白が1〜2gほど混ざります。ゆでてから分けるほうが、ずっときれいに分かれます。
1回の量は、卵黄ひとさじから全卵の半分へ
最初は、固ゆでの卵黄をほぐして、離乳食用のスプーンでひとさじ。支援ガイドは、新しい食品は1さじずつ、様子を見ながら増やすとしています。
卵黄はぱさついて飲み込みにくいので、おかゆでのばしてください。お湯でのばすなら、粉末のライスシリアルを一緒に溶くと便利です。とろみがついて食べやすくなります。
鉄を添加したライスシリアルなら、鉄も一緒に足せます。量の目安は鉄の早見表に書きました。
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| 時期 | 1回の量 |
|---|---|
| 5〜6か月ごろ | 慣れてきたら卵黄を試す(量の決まりはありません) |
| 7〜8か月ごろ | 卵黄1個 〜 全卵3分の1個 |
| 9〜11か月ごろ | 全卵2分の1個 |
| 12〜18か月ごろ | 全卵2分の1個 〜 3分の2個 |
表は、その食事のたんぱく質を卵だけでとるときの量です。魚や肉、豆腐も出すなら、そのぶん卵は減らします。
支援ガイドも「あくまでも目安」と書いています。食べきれなくても構いません。月齢より、その子の食べ方に合わせてください。
固ゆでの卵黄は、ほぐして小分けにすれば冷凍できます。卵白は冷凍するとぼそぼそになるので、向きません。ここは研究の話ではなく、台所の経験則です。
湿疹がある赤ちゃんは、量の進め方が別です
湿疹(アトピー性皮膚炎)がある赤ちゃんは、先に皮膚を治します。そのうえで、医師のもとで、ごく少量から始めます。
最初の量は、加熱した全卵で約0.2g。上の表とは桁が違います。段階は、卵とピーナッツの記事の表にあります。
自己判断で始めず、かかりつけの小児科の先生と一緒に進めてください。
卵黄に慣れたら、卵白も少しずつ
卵黄をゆっくり進めていると、卵白を始めるのがそのぶん遅くなります。国立成育医療研究センターが、卵黄から始めることにこだわらないのは、このためです。
同センターは2026年1月、救急外来の10年分の記録を調べた結果を発表しました。2015年から2024年に、食物アレルギーで受診した18歳未満の約2,800件です。
卵を早く始めるようすすめられたあとも、卵アレルギーでの受診は、はっきりとは減っていませんでした。
研究グループは、理由の候補を2つ挙げています。すすめが十分に広まっていないこと。そして、卵黄から始めたために、卵白が遅くなっていることです。
これは1つの病院の記録で、理由が確かめられたわけではありません。それでも、卵白を先延ばしにしない理由のひとつにはなります。
卵白も、固ゆでをごく少量から。すりつぶして、おかゆに混ぜると食べやすくなります。
卵黄は、鉄とビタミンDがとれます
卵黄1個(16g)に入っている鉄は、0.8mgです。ビタミンDも2.5マイクログラムとれます。赤ちゃんの1日の目安量の半分です。卵白には、鉄はほとんど入っていません。
卵黄の鉄は、野菜や豆と同じ種類(非ヘム鉄)で、お肉や魚の鉄より吸収されにくいほうです。食後に果物を少し足すと、体に入る量が増えます。
ほかの食材に入っている鉄の量は、鉄の早見表で比べられます。ビタミンDの話はビタミンDの記事にあります。
うずらの卵は、丸ごと出さないでください
うずらの卵は、丸くてつるっとしています。噛む前に、のどへすべり込みやすい形です。日本小児科学会は、窒息を起こしやすい食べもののひとつに挙げています。
出すなら、小さく切ってから。ぶどうやミニトマトと同じ扱いです。形と切り方は、かたさと形の記事にまとめました。
パンやハンバーグにも、卵が入っています
卵は、卵料理のほかにも入っています。パン、ホットケーキ、ハンバーグや肉だんごのつなぎ、揚げものの衣、プリン、卵ボーロなどです。
袋や箱に入った加工食品では、卵が入っていれば必ず表示されます。原材料の欄を見てください。
初めての卵は、固ゆでの卵そのもので試すのが安心です。加工品だと、入っている量も、火の通り具合もわかりません。
口のまわりが赤くなったときは
口のまわりが少し赤くなっただけなら、それだけで卵をやめなくて大丈夫です。量を減らして続けるやり方があります。くわしくは卵とピーナッツの記事に書きました。
じんましんが体に広がった、何度も吐いた、咳き込んで苦しそう。こういうときは、その日のうちに小児科を受診してください。
初めての卵は、平日の午前中に出すと安心です。何かあったときに、病院が開いています。
始める前に、相談してほしい場合
湿疹がある赤ちゃんや、卵で症状が出たことのある赤ちゃんは、自己判断で進めないでください。かかりつけの小児科の先生に相談してから始めます。
すでに卵アレルギーが疑われているお子さんに、この記事を読んで卵をすすめることはしないでください。
出典
- 厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」(食品の種類と組合せ、離乳の進め方の目安)
- 国立成育医療研究センター「離乳食における鶏卵摂取の考え方 ~鶏卵アレルギー予防のために~」2023年10月12日更新
- 日本小児アレルギー学会 食物アレルギー委員会「鶏卵アレルギー発症予防に関する提言」2017年(鶏卵に含まれる抗原量、PETIT研究の摂取量)
- Halken S, et al. EAACI guideline: preventing the development of food allergy in infants and young children (2020 update). Pediatr Allergy Immunol. 2021;32(5):843-858.
- 国立成育医療研究センター プレスリリース「鶏卵の早期摂取推奨後も、鶏卵アレルギーの大きな減少は認められず」2026年1月21日(Ohnishi S, et al. Clin Exp Allergy. 2026;56(2):186-189.)
- 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」(卵黄 生:鉄4.8mg/100g、卵白 ゆで:鉄Tr。卵黄1個を16gとして計算)
- 日本小児医療保健協議会 栄養委員会「乳児期のビタミンD欠乏の予防に関する提言」日本小児科学会雑誌 2025;129(3):494-496.(卵黄1個でビタミンD 2.5µg)
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」(乳児のビタミンDの目安量 1日5µg)
- 日本小児科学会 こどもの生活環境改善委員会「食品による窒息 子どもを守るためにできること」2020年10月30日掲載、2025年8月31日改訂(Ver.3)
- 消費者庁「食物アレルギー表示に関する情報」
更新履歴
- 2026年9月19日卵黄1個のビタミンDを、約1.1マイクログラムから2.5マイクログラムに直しました。日本小児医療保健協議会 栄養委員会の提言の値に合わせています。
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