10倍粥では足りない?離乳食に必要なカロリーの話

公開 2026年9月5日・最終更新 2026年10月6日

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内科専門医で、2人の子の父です。論文や公的なガイドラインをもとに書いています。著者について

10倍粥は水が多いので、同じ量の母乳よりカロリーが低くなります。おかゆを濃くすると、同じ量でも摂取できるカロリーが増えます。下の表で、おかゆの種類ごとのカロリーを比べてください。

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おかゆ・ごはんのカロリー早見表100gあたりのカロリーを、母乳と比べられます

文部科学省「日本食品標準成分表2020年版」(第8版)増補2023年
10倍粥33kcal
7倍粥約47kcal
母乳61kcal
5倍粥65kcal
軟飯約110kcal
ごはん156kcal

10倍粥のカロリーは、母乳の半分ほどです

薄いおかゆのカロリーは、母乳の半分ほどしかありません。5倍粥まで濃くして、ようやく母乳を少し上回ります。→炊飯器やご飯から5倍粥を作る方法

→10倍粥から5倍粥へいつ進めればよいのか →軟飯をご飯から作る時の水の量

薄いおかゆと濃いおかゆの器を並べたイラスト

おかゆを水で薄めるとカロリーが少なくなります。赤ちゃんの胃は小さいので、薄い食事では必要なカロリーをとれません。

オートミールでおかゆを作る時も同じで、水が多いと母乳より薄くなります。→オートミールの水の量

おかゆには、油やたんぱく質を足して濃くしましょう

補完食が母乳より濃くなければカロリーを補う意味が薄くなるため、WHOは、補完食から摂取できるカロリーを1gあたり少なくとも0.8kcalにするようすすめています。

5倍粥でも1gあたり0.65kcalで、母乳の0.61kcalをわずかに上回るだけです。このため、補完食をおかゆだけで組み立てると、カロリーが不足します。そこで油やたんぱく質を足して、濃さを上げていきましょう。

まず母乳を超えることを目標に

いきなり1gあたり0.8kcalを狙わなくて大丈夫です。母乳の0.61より濃いことを最初の目標にしましょう。すすって飲める濃さのものは、たいてい母乳より薄いと考えてください。

母乳やミルクだけでは、カロリーはどれくらい不足する?

母乳を平均的に飲んでいる子について、母乳やミルクだけでは1日に不足するカロリーを、WHOが月齢ごとに出しています。

WHO/PAHO. Guiding principles for complementary feeding of the breastfed child, 2003 より、先進国の値。
月齢1日に不足するカロリー
6〜8か月130 kcal
9〜11か月310 kcal
12〜23か月580 kcal

ほかのサイトでは、6〜8か月で不足するカロリーを1日200kcalと書いていることがあります。200kcalは途上国の子の値で、日本を含む先進国の子では130kcalです。

表の12〜23か月の580kcalは、1歳をすぎても母乳を飲んでいる子の値です。1歳ごろに母乳やミルクをやめた子は、1日に必要なカロリーを食事から摂取します。厚生労働省の食事摂取基準では、1〜2歳の子が1日に必要なカロリーは、男の子で950kcal、女の子で900kcalです。

不足するカロリーは、母乳やミルクを飲む量で変わります

130kcalというのは、母乳を平均的に飲んでいる子の話です。よく飲む子なら足す分は減りますし、飲む量が減ってきた子では増えます。カロリー計算ツールに1日に飲む量を入れると、その子に合わせた値が出ます。

おかゆを濃くすると、必要な食事量は少なくなります

6〜8か月の子で1日に不足する130kcalを、おかゆやごはんだけで1日に3回摂取する場合の食事量を計算しました。

130kcalを1種類だけで摂取した場合の量。1日3回で割った量も並べました。
何で摂取するか1日の量1回あたり
10倍粥390 g130 g
5倍粥200 g67 g
ごはん85 g28 g

薄いおかゆだと、1回に130g食べることになり、6〜8か月の赤ちゃんにはまず食べきれない量です。

5倍粥まで濃くすると、1回67gまで下がり、現実的な量になります。ごはんが食べられるようになれば、1回28gです。

130kcalを摂取するのに必要な量は、おかゆやごはんの濃さを変えるだけで5倍近く変わります。がんばって量を食べさせるより、濃さを上げるほうが、不足するカロリーを早く補えます。

月齢を入れて計算できます

カロリー計算ツールを使うと、お子さんの月齢に合わせて、おかゆやごはんで何g必要かが出ます。

WHOは、食事の回数の目安を6〜8か月で1日2〜3回、9か月からは1日3〜4回とし、ほかに1日1〜2回の補食をすすめています。

ただ、回数は月齢で決めるものではありません。1回で食べられる量には限りがあるので、1回の食事でカロリーが足りなければ、余裕のある時に回数を増やしてみてください。

薄いものしか食べてくれないとき

濃いおかゆを嫌がる子はいます。そのときは濃さを戻して構いません。かわりに、カロリーを足せるものを混ぜてください。かたさをいつ上げるかは、月齢ではなく口の動きで決めましょう。→かたさと形の記事

粉ミルクには鉄も含まれています。食材のひとつとして使うと考えると、使い道が広がります。→鉄の早見表

どうしても薄める必要があるときは、水ではなく育児用ミルクで薄めてください。水にカロリーはゼロですが、育児用ミルクなら、薄めながらも多少のカロリーは摂取できます。銘柄によるカロリーの差は小さいので、家にあるもので構いません。→育児用ミルクの選び方

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1食に使う粉6gで、23kcalと鉄1.1mgを摂取できます。

はちみつは、1歳を過ぎるまで使わない

甘みを足せば食べてくれるかもしれない、と考えることもあると思います。はちみつは、1歳を過ぎるまで与えないでください。乳児ボツリヌス症を起こすことがあるためです。パンなどの原材料に入っていることもあります。

回数が増える前提で、道具をそろえる

食事の回数は増えていくため、忙しい現代社会で全部を手作りすることはむずかしいです。

冷凍を前提に、まとめて作って小分けにしておいたり、市販のベビーフードも遠慮なく使うことが必要です。どちらも「手抜き」ではありません。

リッチェル「わけわけフリージング ブロックトレーR」

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小分けにして冷凍した離乳食を、1ブロックずつ取り出せる容器です。ブロックの大きさは15mL(12個)、25mL(8個)、50mL(6個)の3種類で、どれもふた付きのトレーが2枚入って715円です(リッチェル公式ウェブショップの税込価格、2026年9月時点)。

→冷凍の日数と解凍の仕方

カロリーは目標であって、ノルマではありません

130kcalは平均の目安であって、毎日きっちり満たす必要はありません。1日ごとに達成しようとせず、1週間くらいの幅で見てください。

出典

  1. 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版」(第8版)増補2023年
  2. WHO. Guideline for complementary feeding of infants and young children 6-23 months of age. Geneva: World Health Organization; 2023.(WHOの現行ガイドライン)
  3. WHO/PAHO. Guiding principles for complementary feeding of the breastfed child. 2003.(2023年版に置き換えられていますが、月齢ごとのカロリーと1gあたり0.8kcalという数値は、こちらにあるものです)
  4. 厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」(2019年改定版)
  5. 厚生労働省「乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドライン」(FAO/WHO 2007年の邦訳。粉ミルクは70℃以上のお湯で溶かす)
  6. リッチェル公式ウェブショップ「わけわけフリージング ブロックトレーR」(15mL×12ブロック・25mL×8ブロック・50mL×6ブロック、どれも2セット入りで税込715円。2026年9月確認)

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