10倍粥では足りない?離乳食に必要なカロリーの話
10倍粥は水が多いので、同じ量の母乳よりカロリーが低くなります。おかゆを濃くすると、同じ量でも摂取できるカロリーが増えます。下の表で、おかゆの種類ごとのカロリーを比べてください。
この記事には広告(アフィリエイトリンク)が含まれます。
おかゆ・ごはんのカロリー早見表100gあたりのカロリーを、母乳と比べられます
| 10倍粥 | 33kcal | |
|---|---|---|
| 7倍粥 | 約47kcal | |
| 母乳 | 61kcal | |
| 5倍粥 | 65kcal | |
| 軟飯 | 約110kcal | |
| ごはん | 156kcal |
10倍粥のカロリーは、母乳の半分ほどです
薄いおかゆのカロリーは、母乳の半分ほどしかありません。5倍粥まで濃くして、ようやく母乳を少し上回ります。→炊飯器やご飯から5倍粥を作る方法
→10倍粥から5倍粥へいつ進めればよいのか →軟飯をご飯から作る時の水の量
おかゆを水で薄めるとカロリーが少なくなります。赤ちゃんの胃は小さいので、薄い食事では必要なカロリーをとれません。
オートミールでおかゆを作る時も同じで、水が多いと母乳より薄くなります。→オートミールの水の量
おかゆには、油やたんぱく質を足して濃くしましょう
補完食が母乳より濃くなければカロリーを補う意味が薄くなるため、WHOは、補完食から摂取できるカロリーを1gあたり少なくとも0.8kcalにするようすすめています。
5倍粥でも1gあたり0.65kcalで、母乳の0.61kcalをわずかに上回るだけです。このため、補完食をおかゆだけで組み立てると、カロリーが不足します。そこで油やたんぱく質を足して、濃さを上げていきましょう。
まず母乳を超えることを目標に
いきなり1gあたり0.8kcalを狙わなくて大丈夫です。母乳の0.61より濃いことを最初の目標にしましょう。すすって飲める濃さのものは、たいてい母乳より薄いと考えてください。
母乳やミルクだけでは、カロリーはどれくらい不足する?
母乳を平均的に飲んでいる子について、母乳やミルクだけでは1日に不足するカロリーを、WHOが月齢ごとに出しています。
| 月齢 | 1日に不足するカロリー |
|---|---|
| 6〜8か月 | 130 kcal |
| 9〜11か月 | 310 kcal |
| 12〜23か月 | 580 kcal |
ほかのサイトでは、6〜8か月で不足するカロリーを1日200kcalと書いていることがあります。200kcalは途上国の子の値で、日本を含む先進国の子では130kcalです。
表の12〜23か月の580kcalは、1歳をすぎても母乳を飲んでいる子の値です。1歳ごろに母乳やミルクをやめた子は、1日に必要なカロリーを食事から摂取します。厚生労働省の食事摂取基準では、1〜2歳の子が1日に必要なカロリーは、男の子で950kcal、女の子で900kcalです。
不足するカロリーは、母乳やミルクを飲む量で変わります
130kcalというのは、母乳を平均的に飲んでいる子の話です。よく飲む子なら足す分は減りますし、飲む量が減ってきた子では増えます。カロリー計算ツールに1日に飲む量を入れると、その子に合わせた値が出ます。
おかゆを濃くすると、必要な食事量は少なくなります
6〜8か月の子で1日に不足する130kcalを、おかゆやごはんだけで1日に3回摂取する場合の食事量を計算しました。
| 何で摂取するか | 1日の量 | 1回あたり |
|---|---|---|
| 10倍粥 | 390 g | 130 g |
| 5倍粥 | 200 g | 67 g |
| ごはん | 85 g | 28 g |
薄いおかゆだと、1回に130g食べることになり、6〜8か月の赤ちゃんにはまず食べきれない量です。
5倍粥まで濃くすると、1回67gまで下がり、現実的な量になります。ごはんが食べられるようになれば、1回28gです。
130kcalを摂取するのに必要な量は、おかゆやごはんの濃さを変えるだけで5倍近く変わります。がんばって量を食べさせるより、濃さを上げるほうが、不足するカロリーを早く補えます。
月齢を入れて計算できます
カロリー計算ツールを使うと、お子さんの月齢に合わせて、おかゆやごはんで何g必要かが出ます。
WHOは、食事の回数の目安を6〜8か月で1日2〜3回、9か月からは1日3〜4回とし、ほかに1日1〜2回の補食をすすめています。
ただ、回数は月齢で決めるものではありません。1回で食べられる量には限りがあるので、1回の食事でカロリーが足りなければ、余裕のある時に回数を増やしてみてください。
薄いものしか食べてくれないとき
濃いおかゆを嫌がる子はいます。そのときは濃さを戻して構いません。かわりに、カロリーを足せるものを混ぜてください。かたさをいつ上げるかは、月齢ではなく口の動きで決めましょう。→かたさと形の記事
- 粉ミルク。少しのお湯で溶けるので、水分をあまり増やさずにカロリーが上がります。70℃以上のお湯か、70℃以上に温めたベビーフードで溶かしてください
- 油。少量でカロリーが大きく増えます
- 鉄入りのライスシリアル。おかゆに混ぜると、カロリーと一緒に鉄も足せます。→ライスシリアルの使い方
粉ミルクには鉄も含まれています。食材のひとつとして使うと考えると、使い道が広がります。→鉄の早見表
どうしても薄める必要があるときは、水ではなく育児用ミルクで薄めてください。水にカロリーはゼロですが、育児用ミルクなら、薄めながらも多少のカロリーは摂取できます。銘柄によるカロリーの差は小さいので、家にあるもので構いません。→育児用ミルクの選び方
はちみつは、1歳を過ぎるまで使わない
甘みを足せば食べてくれるかもしれない、と考えることもあると思います。はちみつは、1歳を過ぎるまで与えないでください。乳児ボツリヌス症を起こすことがあるためです。パンなどの原材料に入っていることもあります。
回数が増える前提で、道具をそろえる
食事の回数は増えていくため、忙しい現代社会で全部を手作りすることはむずかしいです。
冷凍を前提に、まとめて作って小分けにしておいたり、市販のベビーフードも遠慮なく使うことが必要です。どちらも「手抜き」ではありません。
リッチェル「わけわけフリージング ブロックトレーR」
広告小分けにして冷凍した離乳食を、1ブロックずつ取り出せる容器です。ブロックの大きさは15mL(12個)、25mL(8個)、50mL(6個)の3種類で、どれもふた付きのトレーが2枚入って715円です(リッチェル公式ウェブショップの税込価格、2026年9月時点)。
カロリーは目標であって、ノルマではありません
130kcalは平均の目安であって、毎日きっちり満たす必要はありません。1日ごとに達成しようとせず、1週間くらいの幅で見てください。
出典
- 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版」(第8版)増補2023年
- WHO. Guideline for complementary feeding of infants and young children 6-23 months of age. Geneva: World Health Organization; 2023.(WHOの現行ガイドライン)
- WHO/PAHO. Guiding principles for complementary feeding of the breastfed child. 2003.(2023年版に置き換えられていますが、月齢ごとのカロリーと1gあたり0.8kcalという数値は、こちらにあるものです)
- 厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」(2019年改定版)
- 厚生労働省「乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドライン」(FAO/WHO 2007年の邦訳。粉ミルクは70℃以上のお湯で溶かす)
- リッチェル公式ウェブショップ「わけわけフリージング ブロックトレーR」(15mL×12ブロック・25mL×8ブロック・50mL×6ブロック、どれも2セット入りで税込715円。2026年9月確認)
更新履歴
- 2026年10月6日100gあたりのカロリーの表を記事の初めへ移し、1回に食べる量ごとのカロリーの表をやめました。途上国の子のカロリーと、食事摂取基準の表の説明を短くし、1歳ごろに母乳やミルクをやめた子の話を加えました。
- 2026年9月26日1回に食べる量(50g・80g・90g・100g)ごとのカロリーの表を加えました(10倍粥・7倍粥・5倍粥・軟飯)。
- 2026年9月24日おかゆの種類を1段変えた時のカロリーの差を「1.5倍から2倍」から「約1.4倍(10倍粥から5倍粥までなら約2倍)」に直しました。
- 2026年9月22日7倍粥と軟飯のカロリー(計算値)と、1回分の量で見たカロリーを足しました。
- 2026年9月19日粉ミルクを料理に混ぜるときは、70℃以上のお湯か、70℃以上に温めたベビーフードで溶かしてから使うことを書き足しました。
このサイトの情報は一般的な医学情報であり、個別の診療の代わりになるものではありません。お子さんの状態については、かかりつけの小児科医にご相談ください。
また、ここに書かれている内容は著者個人の見解であり、所属する機関を代表するものではありません。