赤ちゃんは、どこに、どう寝かせると安全?
1歳までは、赤ちゃんをあおむけに寝かせてください。寝床は硬くて平らなベビーベッドにして、枕やぬいぐるみは置かないようにしましょう。掛け布団は使わず、スリーパーや服で温度を調整してください。ここまでは、日本の国(こども家庭庁)とアメリカ小児科学会の勧めが同じです。
このサイトでは、親と同じ部屋で、赤ちゃん専用の寝床に寝かせることを勧めます(こども家庭庁、アメリカ小児科学会)。特に、SIDSが多い生後6か月までは、添い寝を避けてください。ただ、日本では添い寝をする家庭が多く、授乳しながら眠ってしまうこともあります。そこで、添い寝で特に危ない場面と、危険を減らす方法も書きます。
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SIDSは、生後6か月までの赤ちゃんに多い病気です
乳幼児突然死症候群(SIDS)は、それまで元気だった赤ちゃんが、眠っている間に突然亡くなる病気です。前ぶれはなく、原因はわかっていません。
日本では2025年に、0歳の赤ちゃん59人がSIDSで亡くなりました。生まれた赤ちゃん10万人あたり8.8人で、約1万1千人に1人です。59人のうち41人は、生後6か月になる前でした。
寝ている間には、SIDSのほかに、窒息の事故も起きます。顔が柔らかい寝具に埋まる、掛け布団が顔を覆う、ベッドと壁のすき間にはさまる、添い寝をした大人の体が覆いかぶさる、といった事故です。日本では2020〜2024年の5年間に、0歳の赤ちゃん109人が寝床での窒息で亡くなりました。0歳の赤ちゃんが事故で亡くなる原因で、一番多いものです。
寝具による窒息は、生後1〜2か月から起こり、3か月を過ぎると増え、1歳を過ぎると減ります(日本小児科学会)。SIDSと窒息は別のものですが、防ぐ方法の多くは同じです。こども家庭庁は、1歳になるまで、この記事に書いた寝かせ方を勧めています。
1歳までは、あおむけに寝かせましょう
SIDSを減らすために、どの国でも最初に勧められているのは、赤ちゃんをあおむけに寝かせることです。ヨーロッパの20の地域の研究では、うつぶせに寝かせた赤ちゃんのSIDSは、あおむけの赤ちゃんの約13倍でした。
あおむけ寝を勧める運動が始まってから、SIDSで亡くなる赤ちゃんは大きく減りました。イングランドとウェールズでは、1988年に年に約1,600人だったSIDSが、2010年には約250人になっています。
横向きに寝かせるのも、勧められていません。横向きの赤ちゃんは、うつぶせに転がりやすいためです。ふだんあおむけで寝ている赤ちゃんを、いつもと違ってうつぶせで寝かせた時は、特にSIDSが多かったという研究もあります。祖父母の家や、預け先で寝かせる時も、あおむけにしてもらってください。
あおむけに寝かせると、吐いたミルクがのどに詰まらないかと心配になるかもしれません。健康な赤ちゃんは、吐いたものを反射で飲み込んだり、せきで出したりできます(こども家庭庁)。授乳の後は、げっぷをさせてから寝かせましょう。
寝返りでうつぶせになったら、あおむけに戻す?
寝かせる時は、いつもあおむけにしてください。あおむけからうつぶせ、うつぶせからあおむけの両方に寝返りできるようになったら、寝ている間にうつぶせになっても、戻さなくて大丈夫です(こども家庭庁、アメリカ小児科学会)。
うつぶせから自分であおむけに戻れないうちは、寝ている赤ちゃんがうつぶせになっていたら、あおむけに戻してください。どの時期も、寝返った先に柔らかい物を置かないようにしましょう。
寝床は、硬くて平らなベビーベッドが安心です
赤ちゃんの寝床は、赤ちゃん専用のベビーベッドが安心です(こども家庭庁)。マットレスは、硬めで平らなものを使ってください。柔らかいマットレスや、傾きのあるマットレスは、顔が埋まりやすいので避けましょう。
ベビーベッドは、国の安全基準の検査に合格したもの(PSCマークの付いたもの)を選んでください。マットレスと柵の間にすき間ができないようにして、柵は、寝返りをしない月齢でも必ず上げておきましょう。
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カトージ「ベビーベッド ハイタイプ レギュラーサイズ」
広告内寸70×120cmで、使えるのは生まれてから生後24か月までです。床板の高さは3段階(55.3cm・47cm・22.5cm)で、前の柵を下げられます。カトージ公式オンラインショップで税込23,980円です(2026年10月時点)。
大人用のベッドでは、窒息や転落の事故が起きています。アメリカの事故の届け出を調べた研究では、大人用のベッドで窒息する危険は、ベビーベッドの約40倍でした。消費者庁と東京都は、2歳になるまでは、できるだけベビーベッドに寝かせるよう勧めています。
大人用のベッドに付ける柵(ベッドガード)は、生後18か月未満の赤ちゃんには使わないようにしましょう。ベッドガードとマットレスのすき間に赤ちゃんがはさまり、1歳未満の赤ちゃん4人が亡くなっています(2015年〜2025年3月)。
ソファやクッションの上にも、赤ちゃんを寝かせないでください。
バウンサー、チャイルドシート、ベビーカー、抱っこひもの中で、赤ちゃんが眠ってしまうことはよくあります。眠ったら、できるだけ早く平らなベビーベッドに移しましょう(アメリカ小児科学会)。日本のバウンサーの安全基準も、2024年6月に「寝たらベッドへ移す」と表示するように改められました。
寝床には、枕もぬいぐるみも置かないように
赤ちゃんの寝床には、枕、ぬいぐるみ、タオル、クッションを置かないようにしましょう(こども家庭庁)。寝ている赤ちゃんの顔に柔らかい物がかぶさると、赤ちゃんは自分でどけられず、息ができなくなることがあります。
寝返りを防ぐクッションや、頭の形を整える枕も、寝ている間は使わないようにしましょう(アメリカ小児科学会)。アメリカでは、寝返りを防ぐクッションで13年間に12人の赤ちゃんが窒息で亡くなり、国が使わないよう注意を出しました(2010年)。
大人の布団やベッドの上に置く、赤ちゃん用の小さな寝床(ベッドインベッド)も、このサイトでは勧めません。日本には、ベッドインベッドの安全基準がありません。日本小児科学会は、5か月の赤ちゃんが、ベッドインベッドごと横の段差へ落ち、ひっくり返ったベッドインベッドの下敷きになって、脳に重い障害が残った事故を報告しています(2025年)。
向き癖や頭の形が気になる時は、寝かせる頭の向きと、抱っこする腕を、左右交互にしてください。起きていて大人が見ている時は、うつぶせで遊ばせる時間を作りましょう。うつぶせ遊びは、退院した後すぐから、短い時間で始めてください(アメリカ小児科学会)。
向き癖のある赤ちゃんの体を、タオルで少し傾けるやり方もあります。タオルを使うのは、起きていて大人が見ている時にしましょう。寝かせて目を離す時は、寝床に何も置かないでください。向き癖が強い時は、健診で相談してください。
1歳までは掛け布団を使わず、スリーパーや服で温度を調整しましょう
こども家庭庁は、1歳までは掛け布団を使わず、スリーパー(着る毛布)などの着るものや、エアコンで温度を調整するよう勧めています。掛け布団が顔にかかったり、首に巻き付いたりする事故を防ぐためです。日本小児科学会は、掛け布団で窒息しやすいのは、生後2〜3か月から1歳ごろまでとしています。
赤ちゃんの服は、大人が快適に過ごせる服装より1枚多いくらいが目安です。胸や背中が汗ばんでいたら、1枚減らしてください。部屋の中では、帽子をかぶせないようにしましょう。
スリーパーは、赤ちゃんの体に合う大きさで、フードの付いていないものを選んでください。重りの入ったスリーパーやおくるみは使わないようにしましょう。
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Hoppetta「ふくふくガーゼ(6重ガーゼ)スリーパー ベビーサイズ」
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おくるみやスワドル(腕ごと体を包む、寝袋のような服)で包む時は、必ずあおむけに寝かせてください。寝返りをしそうなそぶりが出たら(多くは生後3〜4か月)、包むのをやめましょう。脚は、ひざを曲げて開けるように、腰まわりにゆとりを持たせてください。
おくるみで包むと、SIDSが減るという根拠はありません(アメリカ小児科学会)。日本小児科学会は、スワドルで寝かせた6か月の赤ちゃんが、20分後にうつぶせで見つかり、亡くなった例を報告しています。この赤ちゃんは、うつぶせからあおむけに戻る寝返りが、できるようになったばかりでした。スワドルが原因だったかどうかは、わかっていません。
どんな場面で特に添い寝が危険?
日本では、添い寝をする家庭が多いです。1歳の子の約8割(76.8%)が、親と同じ寝床で寝ていました(環境省のエコチル調査)。
添い寝の勧め方は、国によって違います。アメリカ小児科学会は、同じベッドで寝る添い寝を勧めていません。イギリスは、一番安全なのは赤ちゃん専用の寝床だとしたうえで、添い寝をする家庭に、危険を減らす方法を伝えています。日本のこども家庭庁も、赤ちゃん専用の寝床が安心だとしたうえで、添い寝で特に危険な場面を挙げています。
このサイトでは、SIDSが多い生後6か月までは、添い寝を避けることを勧めます。生後3〜4か月までの赤ちゃんは、お酒やたばこのような危ない場面がなくても、添い寝でSIDSが増えるという研究もあります。
生後6か月を過ぎても、次の時は添い寝をしないでください
- 添い寝する大人が、お酒を飲んだ時
- 添い寝する大人が、眠気が出る薬を飲んだ時
- 添い寝する大人が、ひどく疲れている時
- 家族にたばこを吸う人がいる時(ベッドの上で吸わなくても)
- 赤ちゃんが、早産や低出生体重(2,500g未満)で生まれた時
- ソファや肘掛け椅子の上
こども家庭庁、アメリカ小児科学会、イギリスの指針で、特に危険とされている場面です。
ソファで大人と一緒に眠ってしまった赤ちゃんは、大人と一緒に寝ていなかった赤ちゃんと比べて、SIDSが約18倍でした(イギリスの研究)。夜中にソファで授乳していて眠くなったら、眠ってしまう前に、赤ちゃんをベビーベッドに戻してください。
添い寝をする時は、次のことに気をつけると、危険を減らせます。床に布団を敷いて添い寝をする時も同じです。
- 赤ちゃんはあおむけに寝かせ、大人の枕や掛け布団が赤ちゃんの顔にかからないようにしましょう
- ベッドと壁のすき間に、赤ちゃんがはさまらないようにしてください
- 上の子やペットと、赤ちゃんを一緒に寝かせないようにしましょう
- 髪の長い人は、髪をまとめてください
- おくるみやスワドルで包んだまま、添い寝をしないようにしましょう(イギリス、オーストラリア)
- 大人用のベッドで寝かしつけた時は、赤ちゃんが寝ついたらベビーベッドに移してください(消費者庁、東京都)
添い乳(横になって、添い寝しながら授乳すること)のまま、眠ってしまうことはあります。授乳が終わったら、赤ちゃんをベビーベッドに戻しましょう。眠ってしまいそうな時は、先に大人の枕や掛け布団を赤ちゃんから離しておいてください。日本の調査では、添い乳をしている母親の13%が、赤ちゃんが窒息しそうになってヒヤリとした経験がありました。
うちでやっていたこと
私の家庭では、添い寝をせず、ベビーベッドで寝かせていました。ただ、正直なことを言うと、疲れ果てた日に、たまに添い寝してしまった日はありました。そのために、子どもがベッドから転落した事故もありました。やはり、疲れていても、添い寝は基本的には勧めません。転落して頭のCTを撮ると、将来の脳腫瘍のリスクも上がります。
寝る場所のほかに、SIDSを減らすためにできること
妊娠中のたばこと、生まれた後に赤ちゃんの周りで吸うたばこは、どちらもSIDSを増やします。妊娠中にお母さんがたばこの煙を吸う受動喫煙も同じです。家族も含めて、たばこをやめるのが一番です(こども家庭庁)。
母乳を2か月以上飲んでいる赤ちゃんは、SIDSが少ないことがわかっています。母乳だけでなくても構いません。育児用ミルクの赤ちゃんも、あおむけ寝、寝床、たばこのほうで、できることは同じです。
寝かせる時におしゃぶりを使っていた赤ちゃんも、SIDSが少なかったという研究があります。おしゃぶりをいつから使えるかと、寝入ったら外すことは、おしゃぶりの記事にまとめました。
予防接種で、SIDSが増えることはありません。予防接種を受けた赤ちゃんのほうが、SIDSは少なかったという研究があります。
赤ちゃんの呼吸や体の動きを見る家庭用のセンサーやモニターで、SIDSが減るという根拠はありません。センサーを使う時も、あおむけ寝と寝床の工夫は続けてください(アメリカ小児科学会、日本小児科学会)。
こども家庭庁は、すべての危険を避けるのは難しいので、無理のない範囲で、できることから始めてほしいと書いています。寝かせ方で心配なことは、健診やかかりつけの小児科で相談してください。
出典
- こども家庭庁「赤ちゃんが安全に眠れるように ~1歳未満の赤ちゃんを育てるみなさまへ~」とリーフレット「寝ている赤ちゃんのいのちを守るために」(掲載資料は2025年12月24日更新)(SIDSの3つのポイント、睡眠中の窒息を防ぐ5つのこと、1歳まで掛け布団を使わない、赤ちゃん専用の寝床、特に危険な添い寝。2026年10月確認)
- こども家庭庁「11月は『乳幼児突然死症候群(SIDS)』の対策強化月間です」(2025年10月31日)(よくあるご質問:寝返りでうつぶせになった時、あおむけで吐いた時)
- 日本小児科学会「乳児の安全な睡眠環境の確保について 2024年改訂『寝ている赤ちゃんのいのちを守るために』(こども家庭庁)に関する見解」(2025年1月28日)と参考資料(掛け布団を使わない対象は生後2〜3か月から1歳ごろ。寝具が関わる死亡の月齢。家庭用モニターは代わりにならない)
- Moon RY, Carlin RF, Hand I; Task Force on Sudden Infant Death Syndrome and the Committee on Fetus and Newborn. Sleep-Related Infant Deaths: Updated 2022 Recommendations for Reducing Infant Deaths in the Sleep Environment. Pediatrics. 2022;150(1):e2022057990.(アメリカ小児科学会。あおむけ、同室の別の寝床、添い寝を勧めない、寝返り、座る器具で眠ったら移す、頭の形を整える枕、おくるみ、服装と帽子、うつぶせ遊び、予防接種、モニター)
- Moon RY, Carlin RF, Hand I. Evidence Base for 2022 Updated Recommendations for a Safe Infant Sleeping Environment to Reduce the Risk of Sleep-Related Infant Deaths. Pediatrics. 2022;150(1):e2022057991.(横向き寝、吐き戻しと誤嚥、添い寝の研究の割れ方)
- The Lullaby Trust「Safer sleep for babies」、NHS、UNICEF UK、NICE NG194 Postnatal care(2021年、2026年6月更新)(イギリス。一番安全なのは別の寝床、添い寝をする家庭への伝え方、添い寝の時は包まない。2026年10月確認)
- 厚生労働省「令和7(2025)年人口動態統計(確定数)」(上巻 乳児死亡 第6.16表、下巻 乳児死亡 第1表。0歳のSIDSは59人、出生10万対8.8、うち生後6か月未満41人)
- こども家庭庁「こどもの死亡の状況(不慮の事故)」(2025年12月23日の資料)(0歳のベッド内での不慮の窒息は2020〜2024年に109人で、0歳の不慮の事故死の第1位)
- 消費者庁「0歳児の就寝時の窒息死に御注意ください!」(2016年10月24日)(窒息の起こり方。2歳まではできるだけベビーベッド。大人用ベッドで寝かしつけたらベビーベッドへ)
- 消費者庁「0〜1歳児のベッドからの転落事故に御注意ください!」(2020年11月13日)
- 東京都生活文化局「乳幼児の寝ているときの事故防止ガイド」(2018年)
- こども家庭庁「こどもを事故から守る!事故防止ハンドブック」(2026年3月版)(授乳後はげっぷをさせてから寝かせる。ソファで寝かせない)
- こども家庭庁 こどもの死亡検証(CDR)ポータル(服装は大人が快適に感じる服装にプラス1枚。柵は寝返りしない月齢でも上げる。2026年10月確認)
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