牛乳は1歳から。ミルクはやめなくていい

公開 2026年9月9日・最終更新 2026年10月20日

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内科専門医で、2人の子の父です。論文や公的なガイドラインをもとに書いています。著者について

牛乳を飲みものとして出すのは、1歳を過ぎてからにしてください。料理に使う牛乳は、1歳より前でも構いません。

そして1歳になっても、母乳や育児用ミルクをやめる必要はありません。

コップに注いだ牛乳、牛乳で作った白いソースの入った片手鍋と木べら、計量スプーンを入れた粉ミルクの缶を並べたイラスト

1歳までは、牛乳を飲みものにしない

厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」には、「牛乳を飲用として与える場合は鉄欠乏性貧血の予防の観点から1歳を過ぎてからが望ましい」と書かれています。

牛乳の鉄は100gあたりほぼ0mgなので、牛乳でおなかがふくれると、そのぶん鉄をとる機会が減ります。

→この時期に鉄が足りなくなる事情

厚生労働省が推奨していないのは「飲用として与える」場合で、ホワイトソースやパンがゆのように、料理に使う牛乳は含まれません。ヨーグルトや、塩分と脂肪の少ないチーズも、用いてよいとされています。→ヨーグルトの選び方

1歳になったら、どれくらいまで

1歳で牛乳を飲めるようになっても、たくさん飲めばいいというものではありません。

アメリカ小児科学会の原則では、1歳を過ぎてから飲ませる牛乳は、1日680mlを超えないこととされています。

牛乳を飲みすぎると、そのぶん食事を食べられなくなり、食事からとる鉄がまた足りなくなります。

→カルシウムを牛乳だけに頼らなくてよい理由

フォローアップミルクは、使わなくて構いません

WHOの2023年の指針は、12〜23か月で母乳以外の乳を飲ませるなら牛乳などの動物の乳を使うこととし、フォローアップミルクは推奨しないとしています。WHOと多くの小児科の学会が、フォローアップミルクを不要なものとみなしている、とも書かれています。

厚生労働省のガイドも、フォローアップミルクは母乳代替食品ではなく、離乳が順調に進んでいる場合は摂取する必要はない、としています。

日本小児科学会栄養委員会は、名前に「ミルク」と付いているために「9か月になったら飲まさなければならないもの」と誤解されている、と書いています。

育児用ミルクには成分の規定があり、フォローアップミルクには規定がないので、ミルクを足したいなら、育児用ミルクをそのまま続けるほうが確かです。フォローアップミルクが少し安いことは、切り替える理由になりません。→育児用ミルクの選び方

いま飲んでいる量で鉄がどれくらいとれているかは、鉄の確認ツールで出せて、ミルクを減らした時に鉄がどう変わるかも見られます。

ガイドには、離乳が順調に進まず鉄欠乏のリスクが高い場合や体重が増えない場合に、医師に相談したうえで検討する、とも書かれています。ただ、そういう時も、先に食事の中身と、育児用ミルクを続けるかどうかを見直しましょう。

→フォローアップミルクが要らない理由と、育児用ミルクとの違い、デメリット

育児用ミルクとフォローアップミルクは、別のものです

育児用ミルクは、母乳の代わりとして作られています。国の許可基準があり、鉄だけでなく亜鉛や銅の量まで範囲が決まっています。

フォローアップミルクは国の許可基準の対象ではなく、牛乳に近い中身に鉄を添加したものです。

2011年に日本小児科学会栄養委員会が、日本のフォローアップミルクは銅と亜鉛が少ないと指摘しました。いまは亜鉛を加えた商品も出ていますが、銅が含まれていないものもあり、商品ごとに違うので、栄養成分表示を見てください。

鉄のために切り替えると、何が起きる?

フォローアップミルクは、育児用ミルクより鉄が多めです。ただ鉄を足したいという理由だけで1歳前に切り替えると、鉄以外の栄養素が不足する可能性があります。

WHOがまとめた研究では、牛乳を飲んでいる子のほうが、フォローアップミルクの子より、血液検査で調べた鉄の値が低めでした。それでもWHOが牛乳を選んだのは、1〜2歳になると食事から鉄をとれるからです。

1歳になっても、やめなくていい

厚生労働省のガイドには、離乳の完了は、母乳または育児用ミルクを飲んでいない状態を意味するものではない、と書かれています。

WHOは2歳以上まで授乳を続けることをすすめています。1歳という区切りで、何かをやめなければいけないわけではありません。

母乳を続けるなら、ビタミンDが足りているかを気にかけましょう。1歳を過ぎても魚や卵をほとんど食べないときは、ビタミンDの記事を見てください。

母乳やミルクをやめるかどうかは、その家の都合で決めて構いません。→補完食の考え方

牛乳を始めるときに

牛乳は、食物アレルギーの主な原因のひとつです。ほかの新しい食材と同じように、少しから始めてください。→新しい食材の進め方

冷たい牛乳を飲まない子も、少し温めると飲むことがあります。

アレルギーの確認に使える、食材の記録表

「離乳食きろく」は、初めて食べた食材と、食べたあとの様子を記録する無料のツールです。卵や乳製品のようなアレルギーの原因になりやすい食材について、試した日と量や、口の周りが赤くなったなどの反応を残せます。記録は食材ごとに一覧で見られるので、小児科で相談する時にそのまま見せられます。会員登録は要りません。記録する食材を選んでください。

出典

  1. 厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」(2019年改定版)
  2. 日本小児科学会栄養委員会報告「乳児用特殊ミルク等の栄養素含有適正化に関するワークショップ」2011年(フォローアップミルクの銅・亜鉛、および同報告が引くアメリカ小児科学会の原則)
  3. 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版」(第8版)増補2023年(普通牛乳)
  4. 厚生労働省「母乳及び乳児用調製粉乳の成分組成と表示の許可基準」
  5. WHO. Guideline for complementary feeding of infants and young children 6-23 months of age. Geneva: World Health Organization; 2023.(12〜23か月では動物の乳をすすめ、フォローアップミルクは推奨しないとしています)
  6. フォローアップミルクの中身は、各社の公式サイトの栄養成分表示で確認しました(2026年9月)

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