牛乳は1歳から。ミルクはやめなくていい

牛乳を飲みものとして出すのは、1歳を過ぎてからにしてください。料理に使うぶんには、それより前でも構いません。

そして1歳になっても、母乳や育児用ミルクをやめる必要はありません。

コップに注いだ牛乳、牛乳で作った白いソースの入った片手鍋と木べら、計量スプーンを入れた粉ミルクの缶を並べたイラスト

1歳までは、牛乳を飲みものにしない

厚生労働省によると、「牛乳を飲用として与える場合は鉄欠乏性貧血の予防の観点から1歳を過ぎてからが望ましい」と紹介されています。

理由は鉄です。牛乳の鉄は、100gあたり0mg。ほとんど入っていません。牛乳でおなかがふくれると、そのぶん鉄をとる機会が減ります。

この時期に鉄が足りなくなる事情は、鉄の記事にまとめました。

厚生労働省が推奨していないのは「飲用として与える」場合です。ホワイトソースやパンがゆのように、料理に使うのはこれにあたりません。ヨーグルトや、塩分と脂肪の少ないチーズも用いてよいとのことです。

1歳になったら、どれくらいまで

飲めるようになっても、たくさん飲めばいいというものではありません。

アメリカ小児科学会の原則では、1歳を過ぎてから飲ませる牛乳は、1日680mlを超えないこととされています。

飲みすぎると、そのぶん食事が入りません。鉄は食事のほうから入ってくるので、結局また足りなくなります。

カルシウムを牛乳だけに頼らなくてよい理由は、鉄以外の栄養素の記事に書きました。

フォローアップミルクは、使わなくて構いません

WHOの2023年の指針は、12〜23か月で母乳以外の乳を飲ませるなら牛乳などの動物の乳を使うこととし、フォローアップミルクは推奨しないとしています。WHOと多くの小児科の学会が、この製品を不要なものとみなしている、とも書かれています。

厚生労働省のガイドも、フォローアップミルクは母乳代替食品ではなく、離乳が順調に進んでいる場合は摂取する必要はない、としています。

日本小児科学会栄養委員会は、名前に「ミルク」と付いているために「9か月になったら飲まさなければならないもの」と誤解されている、と書いています。

ミルクを足したいなら、育児用ミルクをそのまま続けるほうが確かです。育児用ミルクには成分の規定があり、フォローアップミルクにはありません。少し安いことは、切り替える理由になりません。

ガイドには、離乳が順調に進まず鉄欠乏のリスクが高い場合や体重が増えない場合に、医師に相談したうえで検討する、とも書かれています。ただ、そういうときも先に見直すのは食事の中身と、育児用ミルクを続けるかどうかです。

育児用ミルクとフォローアップミルクは、別のものです

育児用ミルクは、母乳の代わりとして作られています。国の許可基準があり、鉄だけでなく亜鉛や銅の量まで範囲が決まっています。

フォローアップミルクは、その基準の対象ではありません。中身としては牛乳に近いもので、そこに鉄を足したものです。

2011年に日本小児科学会栄養委員会が、日本のフォローアップミルクは銅と亜鉛が少ないと指摘しました。いまは亜鉛を加えた商品も出ていますが、銅は入っていないものがあります。商品ごとに違うので、栄養成分表示で確かめてください。

鉄のために切り替えると、ほかが抜けます

フォローアップミルクは、育児用ミルクより鉄が多めです。ただ鉄を足したいという理由だけで1歳前に切り替えると、鉄以外の栄養素が不足する可能性があります。

WHOがまとめた研究では、牛乳を飲んでいる子のほうが、フォローアップミルクの子より鉄の数値は低めでした。それでもWHOが牛乳を選んだのは、この年齢になると食事のほうから鉄をとれるからです。

1歳になっても、やめなくていい

離乳の完了は、母乳または育児用ミルクを飲んでいない状態を意味するものではない。ガイドにそう書かれています。

WHOは2歳以上まで授乳を続けることをすすめています。1歳という区切りで、何かをやめなければいけないわけではありません。

やめるかどうかは、その家の都合で決めて構いません。補完食の考え方も、そこは同じです。

牛乳を始めるときに

牛乳は、食物アレルギーの主な原因のひとつです。ほかの新しい食材と同じように、少しから始めてください。進め方はアレルギーの記事にまとめました。

冷たいままだと飲まない子もいます。少し温めると飲むことがあります。

出典

  1. 厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」(2019年改定版)
  2. 日本小児科学会栄養委員会報告「乳児用特殊ミルク等の栄養素含有適正化に関するワークショップ」2011年(フォローアップミルクの銅・亜鉛、および同報告が引くアメリカ小児科学会の原則)
  3. 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」(普通牛乳)
  4. 厚生労働省「母乳及び乳児用調製粉乳の成分組成と表示の許可基準」
  5. WHO. Guideline for complementary feeding of infants and young children 6-23 months of age. Geneva: World Health Organization; 2023.(12〜23か月では動物の乳をすすめ、フォローアップミルクは推奨しないとしています)
  6. フォローアップミルクの中身は、各社の公式サイトの栄養成分表示で確認しました(2026年9月)

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