果物やジュースは、子供にいつからあげていい?
お粥に慣れたら、野菜と同じころから赤ちゃんに果物を食べさせて構いません。リンゴと梨は、離乳食の完了期(1歳〜1歳半ごろ)まで、すり潰してから柔らかくなるまで加熱しましょう。
市販のジュースは、1歳になるまで飲ませなくて大丈夫です。果物を丸ごと潰したものなら、食物繊維も摂れるので、ジュースのようにして出して構いません。
果物は、いつから食べさせていい?
厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」では、離乳食をお粥から始め、お粥に慣れたら野菜や果物を、さらに慣れたら豆腐や白身魚などを試して、種類を増やしていきます。果物を始める時期は、野菜と同じころが目安です。どの果物も、始める時期は同じで構いません。
初めての果物も、ほかの食材と同じように、1日1品をひとさじから試しましょう。→新しい食材の試し方
支援ガイドにある1回の目安の量は、果物と野菜を合わせた量で、7〜8か月で20〜30g、9〜11か月で30〜40g、12〜18か月で40〜50gです。果物だけの量は決まっていないので、野菜と合わせて考えましょう。
WHOは2023年のガイドラインで、6〜23か月の子に、果物と野菜を毎日食べるよう勧めています。果物は毎日出して構いません。
果物は、加熱したほうがいい?
果物を加熱するのは、喉に詰まるのを防ぐためと、アレルギーに備えるためです。
リンゴと梨は、1歳〜1歳半ごろまで加熱しましょう
リンゴと梨は生のままだと固く、すりおろしたり小さく切ったりしても、喉に詰まることがあります。すりおろしたリンゴを食べた子供の事故があったことから、こども家庭庁は2026年3月、離乳食の完了期まで、リンゴを柔らかく加熱して出すよう、保育施設に求めました。
家でも、リンゴと梨は、完了期(1歳〜1歳半ごろ)まで加熱しましょう。皮と芯を除いてすり潰し、鍋で煮るか電子レンジにかけて、赤ちゃんが口の中で潰せる柔らかさにしてください。
初めての果物は、加熱してから試すと安心です
リンゴと梨のほかの果物も、初めて食べさせる時は、加熱してから試すと安心です。大丈夫だと分かったら、次からは生のまま潰して出しましょう。
果物を加熱すると、花粉症の人に多い口の中がかゆくなる型のアレルギーは出にくくなります。ただ、口の中がかゆくなる型のアレルギーは幼児期から多くなり、赤ちゃんには多くありません。原因によっては、加熱した果物でも症状が出ることがあります。
加熱しないまま生の果物を食べさせてしまっても、心配しすぎなくて大丈夫です。食べたあと2時間ほどは、いつもと様子が違わないかを見ていましょう。
生で出す果物は、よく洗ってから皮をむいて使ってください。支援ガイドは、赤ちゃんは細菌への抵抗力が弱いので、調理の時は衛生に気を付けるよう書いています。
バナナやイチゴは、どうやって出せばいい?
離乳食を始めたばかりの5〜6か月ごろは、果物も滑らかに潰して出しましょう。イチゴやミカンなど、柔らかい果物は、7〜8か月ごろからは小さく切って出して構いません。果物ごとの下ごしらえは、表を目安にしてください。→月齢ごとの固さ
| 果物 | 出し方と、知っておきたいこと |
|---|---|
| バナナ | 柔らかく、潰しやすい果物です。100gあたり93kcalと果物の中ではカロリーが多いので、カロリーを摂りたい時に向いています。 |
| リンゴ | 皮と芯を除き、完了期まではすり潰した後、柔らかくなるまで加熱してください。すりおろしたリンゴでも、生のままでは喉に詰まることがあります。 |
| 梨 | リンゴと同じように、完了期まではすり潰した後、柔らかくなるまで加熱しましょう。 |
| イチゴ | へたを取ってください。ビタミンCを多く含む果物です。 |
| ミカン、オレンジ | 薄皮をむいて、中の実だけを使いましょう。 |
| キウイ | 皮をむいてください。果物の中では、アレルギーの原因として一番多く報告されています。 |
| モモ | 皮と種を除いてください。缶詰のモモは、シロップの砂糖でカロリーが生のモモの約2倍なので、生のモモを使いましょう。 |
| ブドウ | 皮と種を除き、4つに切りましょう。丸ごと食べさせると、喉に詰まるおそれがあります。 |
| ブルーベリー | 4つに切ってください。 |
| メロン | 皮と種を除き、柔らかいところを使いましょう。 |
| スイカ | 種を除いてください。 |
| 柿 | 皮と種を除き、柔らかく熟したものを使いましょう。ビタミンCを多く含む果物です。 |
ブドウのような丸い果物は、4つに切りましょう
消費者庁によると、2014年から2019年までの6年間に食べものを喉に詰まらせて亡くなった14歳以下の子供は80人で、うち73人が5歳以下でした。原因の食べものが分かった51人のうち、6人はリンゴやブドウなどの果物でした。
消費者庁は、ブドウやミニトマトのような丸い食べものは丸ごと食べさせず、4等分するか、調理して柔らかくするよう呼びかけています。サクランボやブルーベリーのような小さく丸い果物も、同じように切りましょう。ブドウは皮も口に残りやすいので、皮をむいてください。
果物を食べる時は赤ちゃんを座らせ、大人がそばで見ていてください。
果物で、アレルギーが出ることはある?
果物でも、食物アレルギーが出ることはあります。消費者庁の2023年の全国調査では、食物アレルギーの原因として多く報告された上位10品目に、果物ではキウイが入っていました。
ただ、0歳の子の食物アレルギーは、原因の95.6%が卵と牛乳と小麦で、果物が原因になることは多くありません。
果物のアレルギーでは、食べてすぐに口の中や唇がかゆくなったり、腫れたりすることがあります。食べた後にじんましんが出る、何度も吐く、ぐったりするなどの様子があれば、すぐに受診してください。果物を続けてよいか心配な時は、かかりつけの小児科医に相談しましょう。→すぐに受診してほしい症状
果物は、鉄の吸収を助ける?
イチゴやミカン、キウイに多く含まれるビタミンCは、豆腐や卵黄、野菜に含まれる鉄(非ヘム鉄)の吸収を助けます。非ヘム鉄の多い食べものを出す日は、食後に生の果物を少し出しましょう。
| 果物 | ビタミンC |
|---|---|
| キウイ(黄色の果肉) | 140 mg |
| キウイ(緑色の果肉) | 71 mg |
| 柿 | 70 mg |
| イチゴ | 62 mg |
| ミカン | 32 mg |
| バナナ | 16 mg |
| モモ | 8 mg |
| リンゴ(皮なし) | 4 mg |
| 梨 | 3 mg |
| ブドウ(皮なし) | 2 mg |
ビタミンCは熱で減るため、鉄の吸収を助けたい時は、生の果物を出しましょう。リンゴや梨はもともとビタミンCが少ないので、完了期まで加熱しても、鉄の吸収の面で困ることはありません。→ビタミンCと鉄の吸収
ジュースは、いつから飲ませていい?
市販のジュースは、1歳になるまで飲ませなくて大丈夫です。赤ちゃん用と書かれたジュースも同じです。家で果物を丸ごと潰したものは、食物繊維も摂れるので構いません。
厚生労働省の支援ガイドは、離乳を始める前の赤ちゃんにとって一番良い栄養は母乳か育児用ミルクで、果汁を飲ませても栄養の面での意味は無いとしています。アメリカ小児科学会も、ジュースは1歳になるまで飲ませないよう勧めています。
リンゴ100gに含まれる糖分は12.4gで、食物繊維は1.4gです。リンゴのストレートジュース100gでは、糖分は10.8gで、食物繊維はほとんど含まれていません。ジュースでお腹が膨れると、母乳やミルク、離乳食を飲んだり食べたりする量が減ってしまいます。
イオン飲料は、汗で失われる塩分と糖分を含む、スポーツドリンクのような飲みものです。イオン飲料をたくさん飲んだ赤ちゃんでビタミンB1が不足した例があるため、支援ガイドは、赤ちゃん用のイオン飲料も授乳期や離乳期を通して普段は飲ませる必要が無いとしています。
以前の母子健康手帳には、3〜4か月ごろのページに「薄めた果汁やスープを飲ませていますか」という問いがあり、果汁は離乳の準備として飲ませるものと考えられていました。祖父母に「果汁を飲ませたら」と勧められても、今は1歳になるまで飲ませなくて大丈夫です。
1歳を過ぎたら、ジュースを飲ませていい?
1歳を過ぎても、ジュースを毎日の飲みものにせず、果物そのものを出しましょう。WHOも2023年のガイドラインで、果汁100%のジュースは控えめにするよう勧めています。
ジュースを哺乳びんや蓋の付いたコップに入れて、一日中少しずつ飲ませると、歯が糖分に触れる時間が長くなり、虫歯になりやすくなります。寝る前にも、ジュースを飲ませないようにしましょう。喉が渇いた時は、水や麦茶を飲ませてください。
下痢など体調が悪い時に、ジュースは飲ませていい?
普段は1歳まで飲ませなくてよいジュースも、吐いたり下痢をしたりしている時は、脱水を防ぐことのほうが大切です。母乳や育児用ミルクを飲んでいる子供は、母乳やミルクを続けてください。母乳やミルクを飲んでいない子供は、脱水のサインが無ければ、水で半分に薄めたリンゴジュースで構いません。→水分の飲ませ方と離乳食
アレルギーの確認に使える、食材の記録表
「離乳食きろく」は、初めて食べた食材と、食べたあとの様子を記録する無料のツールです。卵や乳製品のようなアレルギーの原因になりやすい食材について、試した日と量や、口の周りが赤くなったなどの反応を残せます。記録は食材ごとに一覧で見られるので、小児科で相談する時にそのまま見せられます。会員登録は要りません。記録する食材を選んでください。
出典
- 厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」(2019年改定版)30ページ(離乳の開始前に果汁やイオン飲料を与えることの栄養学的な意義は認められていない。注16 イオン飲料の多量摂取による乳幼児のビタミンB1欠乏)、32ページ(お粥から始め、野菜、果物、豆腐や白身魚、固ゆでした卵黄へ。調理の衛生。口の中で押しつぶせるように加熱調理)、34ページ(離乳の進め方の目安。1回当たりの野菜・果物 20〜30g、30〜40g、40〜50g)
- こども家庭庁 事務連絡「預かり始めの時期における教育・保育施設等の事故防止に向けた取組の徹底について」(2026年3月30日)(令和5年度は、すりおろしたりんごを食べたこどもの事故。りんごは(離乳食)完了期までは、やわらかくなるまで加熱して提供)
- 東京都福祉保健局 事務連絡「教育・保育施設等における睡眠中及び食事中の事故防止に向けた取組の徹底について」(2023年4月21日)(りんごや梨等の果物は(離乳食)完了期までは加熱して提供。ぶどうは皮も口に残る)
- 消費者庁「食品による子どもの窒息・誤嚥事故に注意!」(2021年1月20日)(2014〜2019年の6年間に14歳以下80人、うち5歳以下73人。原因が分かる51人のうち果物類6人。ミニトマトやブドウ等の球状の食品は4等分する、調理して軟らかくする)
- 消費者庁「令和6年度 食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業 報告書」(2024年9月)(2023年の即時型食物アレルギーの全国調査、6,033例。品目別では鶏卵、クルミ、牛乳、小麦、落花生に、イクラ、カシューナッツ、エビ、キウイ、大豆が続いた。0歳群は鶏卵、牛乳、小麦で95.6%)
- 厚生労働科学研究班「食物アレルギーの診療の手引き2023」(表1 口腔アレルギー症候群は幼児期から。花粉-食物アレルギー症候群で PR-10 やプロフィリンが原因の時は、加熱や加工処理した原因食物は症状なく食べられることが多い。GRP が原因の時は、すべての食品の除去が必要なことが多い)
- Heyman MB, Abrams SA. Fruit Juice in Infants, Children, and Adolescents: Current Recommendations. Pediatrics. 2017;139(6):e20170967.(果汁は12か月より前に与えない。哺乳びんや持ち運べる蓋つきのコップで一日中飲ませない。寝る時に与えない。果物そのものを勧める)
- WHO. Guideline for complementary feeding of infants and young children 6–23 months of age. 2023.(推奨4b「Fruits and vegetables should be consumed daily」強い推奨。推奨5d「Consumption of 100% fruit juice should be limited」条件つきの推奨)
- 厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(仮称)」策定に関する研究会 第1回議事録(2006年10月11日)(母子健康手帳の保護者の記録の3〜4カ月ごろのページに「薄めた果汁やスープを飲ませていますか」という記述がある)
- 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版」(第8版)増補2023年(100gあたり。バナナ 生93kcal。りんご 皮なし 生 糖質12.4g・食物繊維1.4g、りんご ストレートジュース 糖質10.8g・食物繊維 微量。もも 白肉種 生38kcal、もも 缶詰 白肉種 果肉82kcal。ビタミンC:キウイフルーツ 黄肉種140mg、緑肉種71mg、甘がき70mg、いちご62mg、うんしゅうみかん じょうのう 普通32mg、バナナ16mg、もも 白肉種8mg、りんご 皮なし4mg、日本なし3mg、ぶどう 皮なし2mg。糖質は利用可能炭水化物(単糖当量))
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